メディア、広告,  映画・音楽,  経済

ソーシャル・ネットワーク

チュニジアの政権が崩壊した
その大きな起因は Facebook や twitter などのネット世論だという
ソーシャルネットワークが国をも動かす時代になった
これは各国関係者の間でも衝撃の出来事として受け止められた
 
さてその前日、ソーシャル・ネットワークの映画が
ハリウッド記者クラブが主催する第68回ゴールデングローブ賞
映画部門の作品賞、監督賞、脚本賞、作曲賞の4冠を受賞した
 
Facebook の創業者 マーク・ザッカーバーグの半生を
デビッド・フィンチャーが映画化、脚本はアーロン・ソーキンだ
話題の映画であり様々な賞を総なめ状態なのだが
個人的には映画作品としてみればあまり良い作品とは思わない
ただアメリカの旬のIT業界の内幕が見える現実のドキュメント
であることを考えると,そんな意味では大変興味深く面白い
 
さて映画のあらすじだが
2003年ハーバード大学の19歳の学生
マークは人付き合いが苦手

そのためグループを作って楽しく大学生活を送れない
しかもガールフレンドから振られる

そのストレスが友人エドアルドと女子学生の写真を並べてランク付けする
サイト作りに没頭し、立ち上げたサイトは2時間で22000アクセスを達し
大学内の回線がパンク
ハーバード大学の大問題に発展するが
マークの名は一挙に大学中に知れ渡ることになる
 
ボート部の双子のウィンクルボス兄弟は自分たちが企画した
男女交流のサイト、ハーバードコネクション立ち上げのためにマークに協力を要請したが
マークが勝手にFacebookを立ち上げてしまったので激怒する
マークとエドアルドはニューヨークで広告スポンサーとの会合に出かけ
19歳でナップスターを立ち上げたショーン・パーカーに出会う
彼のアドバイスで会社の設備やスタッフを増強するが
この頃から人間の欲望が交錯していく
友情、裏切り、嫉妬、愛情、権力が一挙に噴出する
一人一人の個性が対立軸となって渦巻いてくる
ウィンクルボス兄弟はアイデアを盗用されたと
そしてエドアルドは共同創業者との権利を主張して
両者ともマークを告訴する
各人に正当な論理があり主張はそれぞれに正しいという
映画の作り方が淡々として気持ちが良い
そんな中でマークの論理は飛び跳ねたところもあるが
プログラムに対する信念とスピードでぐいぐい引っ張っていく
告訴の悩みを潜り抜けながら前進する突進力と意志の強さ
成功ドキュメントという現実がそれをより強烈にしている
 
今や世界の顧客は4億人、5億人とも言われるFacebook
ネットのつながりはより影響力を増し大きな力となっている
ただつながればつながるほど孤独感が増していくのはなぜなんだろう
ソーシャルネットワークという新時代のツールは
国を破壊させる威力を持ちながらも
新しい孤独を生んでいるのかもしれない
しかも見終わった後味が良くないのもデビッド・フィッンチャー監督らしい

今のアメリカのITビジネスの内情を知るにはもってこいの映画だ