経済

ラニーニャと北極振動

日本の冬が寒い
南国宮崎でも12月31日はえびのなど山間部では雪が積もった
こんなこと何十年ぶりだろう
それほど今年の日本の冬は長くしかも極端に寒い
 
世界気象機関(WMO)は1月25日
2010年以降活発化しているラニーニャ現象
(ペルー沖の海面水温が低くなる)が観測史上最大規模と見られると発表した
最長で今年の5月まで続くと予測している
(共同通信・ダボス)
 
ラニーニャとはスペイン語で『女の子』の意味
言葉はかわいいのでがやることは大変厳しくて手ごわいのだ
昨年夏のパキスタンの洪水、ロシアの干ばつ、冬のヨーロッパ、アメリカ東海岸の寒波
そしてオーストラリアの洪水
など世界中の異常気象が現れている
2010年4月までは水温が高くなるエルニーニョ現象が続いていたが
その後ラニーニャが始まった
 
世界の冬の寒波に輪をかけたのが北極振動だ
北半球では北極上空の寒気が放出と蓄積を繰り返えしている
12月からの放出の時期と重なったことも寒波が続いているもう1つの原因だ
 
さあ、この異常気象が怖いのは世界の穀物市場に与える影響だ
世界の豊かな農業地帯
南半球のブラジル、アルゼンチンに注目が集まっている
ラニーニャ現象の為に干ばつが予想されるからだ
特にアルゼンチンはとうもろこし世界2位、大豆世界3位の輸出国
ここが激減すると穀物市場が暴騰する
 
現在でも食料価格の高騰でアフリカのチェニジアは政権が崩壊
アルジェリアなどでも暴動が続いている
中国でも食料価格の高騰は庶民の悩みの種だ
 
ラニーニャの影響しだいではQE2の緩和された世界中の投機マネーが
いっせいに穀物市場になだれ込み、商品市場に波及し
大きな食糧危機の連鎖になるリスクをはらんであるのである
『女の子』 ラニーニャの一挙手一行動の影響を世界は固唾を呑んで見守るしかない