虚弱な天才

環境の激変にテレビ業界も大変な状況である
そんな中で頼もしい発言をする人間がいる
 
澤本嘉一(さわもとよしかず)氏 
1966年 長崎県生まれ
クリエイターオブザイヤー 2000年、2006年、2008年
ほかさまざまな賞を受賞している日本を代表する
ディレクターでありCMプランナーである
 
CMプランナーの仕事
 
CMプランナーとは何か?
CMの脚本を書く仕事
 出演者、ストーリーまでを考えて成立させる
クライアントのカウンセリング
 クライアントの求めていることをクリアーにしていくことだという
 商品のメリットを懸命に伝えるだけではなく上手に言い換えるということ
 それがプランナーの資質
対人交渉力が非常に大事
 契約書が絵コンテであとは普通のビジネス!
 
環境の激変
 
入社したのが1990年
その頃1ケ月に頭の中にインプットされる情報を1000とすると
2010年の1ケ月は10倍から100倍に増えている
頭の中をハードディスクだと考えると
容量があるときのTVCMの見方と
飽和状態にあるときの見方では違う
前に見たものを消さないとハードディスクに入らないとすると
そのものの価値が上か下かを瞬時に判断して決定する
自分と関係がないと思った瞬間に人はCMを見なかったことにする
だから今まで見せておけば覚えてくれたCMを今は見ないのと一緒だという
 
通常今まではTVCMをGRP2000%てほど流しておけば
ほぼ一般に人に認知させることができた
しかし現在 GRP5000%流しているCMでも知らないとというCMも多い
 
その中でどのように目立っていくかということは
20年前のロジックでやっていても成り立たない
現状のCMのハードルはこの時代の環境の中でとても高くなっている
そんな意味でも昔よりもソフトを作れる力が問われている
 
メディアの広がり
 
何かを広告として使うときに、一番注目しやすいのは
目の前で動いていてそれに音がシンクロしているのが一番気になる
動画を使った広告が一番効率が良いはず
効率とは頭の中に侵入させていく度合い
 
昔は4媒体(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)
それぞれの中でよい広告を使って完結するかが課題で
キャンペーンには4媒体の掛け合わせでよかった
それがメディアの広がりと消費者動向でどんどん崩れている
 
動画を流す場所も
TV、パソコン、携帯、映画館と広がっている
特にウェブ誘導型のCMやコピーが増えている
広告というものはルールがない
アイデアと新規性さえあれば広告って面白い
メディアを組み立てていくというクリエイティブと
ソフトを作っていくというクリエイティブは完全に両立していかないといけない
 
TVCMの重要性
 
テレビCMはなくならない
なぜなら人間は生理的に動画が好きだからと言う
 
TVは同時期にいろんな人に対して一瞬にアプローチできるメディア
そんな意味でかけた投資に対してのリターンがこれだけあるんだ
というものは現在でもTVCM以上のものはない
 
テレビ広告は使い方の競争の時代にはいっている
長年の慣習の15秒の本数より
少ない60秒の印象の強いCMだけを流したらより商品が売れる可能性がある
そんな意味で広告の典型を壊す勇気が求められている
同じことをやっていても未来はない
目に見える映像の部分だけではなく、広告の仕組みとして
これまでにないことをやるのが大切
 
孫さんも一目おく虚弱な天才と人が言う澤本氏
 
CMはすべて基本的に制約がある映像表現
その制約のパズルを解いて作っていくのがCMとの発言はとても小気味よい
実績に裏付けされた言葉の重みと深み
突っ張りながら落としどころを考えて作っていく感覚は
まさに職人でありながら究極のビジネスマンでもある
 
これからもテレビ広告の典型を壊しながら
新しいCMの在り方を模索し続ける彼の挑戦が楽しみでもある