時間軸を1999年に戻してみよう
ギリシャは2004年に控えたアテネオリンピックを是が非でも
成功させなければならなかった
そのためにはユーロ加盟はギリシャとしては至上命題であったはずだ
その時に助け舟を出したのがゴールドマンサックスだった
ギリシャ政府に対して2000年、2001年に
将来の空港税や宝くじ収入を担保にギリシャ政府に対し
数十億ドル(数千億円)の資金を提供した
ゴールドマンサックスは2001年だけで約3億ドル(300億円)の
手数料を手にしたと言われている
ただこの金融取引は疑わしいものであった事をニューヨークタイムズ紙は伝えている
ゴールドマンサックスとの金融取引でギリシャに融通された資金はローンではなく
為替取引(クロスカレンシースワップ)として会計上に記録されるようにしたため
財政赤字はGDPの3%にとどめるとの
ユーロ独自の債務ルールに抵触しないように見せかけることにギリシャは成功した
ユーロ圏は2000年にギリシャ加盟を承認
2001年にギリシャはユーロを導入した
ギリシャ政府とゴールドマンサックスの思惑が一致
アテネオリンピックは成功し
まさにギリシャとゴールドマンサックスはこの時ウィンウィンの関係であった
ユーロ加盟のため国家財政の粉飾をギリシャとゴールドマンサックスが
手を組んで行った疑惑が垣間見える
ギリシャは束の間の我世の春を謳歌するのである
しかし春は長く続かない
ギリシャは2009年10月の政権交代によってパパンドレウ政権が誕生する
そしてパンドラの箱が開かれた
2008年数字上はプラス成長を保っていたはずが
政権交代でギリシャ政府の粉飾決算が明らかになった
2008年財政赤字をGDPの7.7%に引き上げ
2009年も12.7%となる見込みを発表
EUおよび金融市場からの信頼が一挙に剥げ落ちたのである
2009年12月
一斉に格付け会社がギリシャの格付けを引き下げ
ギリシャ危機が表面化していき、ユーロ危機に繋がって行ったのだ
EU首脳は10月24日10時間とも言われる長い会議でギリシャの救済策を話し合い
ギリシャの50%債務の棒引きの結論を出したEU
パパンドレウ首相はそれに応えられない現実
それほど政権は弱体化しているのだ
サルコジ大統領が10月27日
テレビの取材で言ったメッセージが的を得ている
ギリシャのユーロ加盟は間違いだった
間違った統計上の数字をギリシャは使った
本当はギリシャは準備ができていなかったのだと・・・・・
このメッセージは今の金融資本主義への強烈な自己反省の弁でもある
国家、証券会社のモラルハザードが生み出した
ギリシャ危機はリーマンショックの構図といわば同じなのである
残念ながらギリシャは50%債務削減の政策でも先送りでしかない
時間とともにギリシャ債務はどんどん膨らんできている
これが現実だ
そしてユーロ危機はどんどん大きくなる
できるだけ早くユーロはギリシャを切り離し
国家と金融機関の損失を確定させることからしかユーロ危機は収まって行かない
イタリアまで波及するとユーロ崩壊の現実味が一挙に増す
最後に一つ気になる点がある
スーパーマリオと言われるECBのマリオドラギ新総裁は
イタリア銀行出身のイタリア人
1993から1999年イタリアの財務大臣や民営化委員長として
テレコム・イタリアをはじめ総額10兆円の大規模な民営化で
イタリアの財務を立て直したことで
スーパーマリオのニックネームがつく
さらにギリシャが我が世の春を謳歌した時期の2002年~2006年
ゴールドマンサックス欧州部門の責任者でありゴールドマンサックスの副会長
がマリオドラギだったのだ
そのあと2006年からはイタリア銀行総裁となる
ユーロ危機のキーワードはギリシャとイタリア
ギリシャ、イタリア、すべての裏表がわかって行動してきた人間
その人がスーパーマリオのECB新総裁なのだ
第一弾はECBの0.25%の利下げから始まった!
先読みすれば
どちらも助けようとインフレ政策を持ち出すのは間違いないと思われる・・・・
紙幣の印刷、国債の買い取りという
ユーロ危機の先延ばしは更なる危機の拡大を生み
最終的にはユーロ崩壊から世界金融の崩壊へとつながる気がしてならないのだが