辻均一郎さんを偲ぶ

岡山の文化蔵、辻本店の社長であり、
真庭市観光協会の副会長でもあった
辻均一郎さんが4月24日午前0時21分に御逝去された
いぶし銀のダンディズムとでも形容できる素敵な人だった
63才というまだまだ早すぎる死だった
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岡山の美作(みまさか)に生まれた美味い酒が御前酒だ
創業1804年(文化元年)と言う創業200年を超える古い蔵である
文化蔵としても有名で、与謝野鉄幹、昌子夫妻をはじめとして
様々な文化人が訪れている
 
私も2度ほど蔵にお邪魔したことがある
白壁の街並みが美しい岡山の小京都と言う風情だった
一度は宮崎の蕎麦屋のしみずさんが年一回この蔵で
蕎麦会を開いていたので
辻さんとしみずさんの出会いは宮崎で偶然しみずの蕎麦屋に
入って食べたことから・・・
こんなにおいしい蕎麦だったら蔵で打ってくれと頼まれたのだと言う
 
2度目は宮崎の酒好きの仲間たちと
辻本店と松江の李白酒造を見学し、そのあと千代結びの岡空さん夫妻と
いろは寿司の蟹三昧の贅沢旅行だった
辻本店では辻さんの昔のオーディオの収集品などを見ながら
趣味のよい人だなと感心したことが思い出される
蔵のレストランでは時々ジャズのコンサートや落語などをやるんですと
話されていた笑顔が思い出される
 
2002年には宮崎の西都に日本最初の酒造りをしたと言う都万神社があることから
酒サミットを開催したが、そのパネラーの一人として
宮崎の西都までお越しいただいたこともある
慶応の落研出身で 
もちろん大吟醸を楽しむ会は常連メンバーの一人
辻さんのお酒に賭ける誠実な思い
そしてまちづくり活動の先頭に立って頑張っている姿
新製品のあくなき探究
等、人生の先輩としてとして尊敬できる面が多数あった
長女の麻衣子さんは会にも一度お越しいただいたが
岡山で初めての女性杜氏として酒造りに取り組んでいる
昨年は長男の総一郎さん夫婦が宮崎にお越しいただき
これで辻本店も安泰だなと思っていた矢先の出来事だった

慶応の落研出身で

落語の高座名は林家助平
東京と蔵でも落語を披露したばかりだった

今日も岡山を御前酒に出てきました・・・
と言う名文句がもう聞けないのがとても寂しい
鳳楽師匠が必ず私も参りますから、天国で名人会をやりましょうといった言葉が胸に響いた
ご冥福をお祈りいたします