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一代の傑物(海賊と呼ばれた男)

久しぶりに心から感動できる本に出会った
 
『海賊と呼ばれた男』  百田尚樹
 
戦後アメリカの合理主義を見習い成長してきた日本企業
その中にあり、独自の道徳観で
経営し、成功をおさめ生き抜いた一代の傑物の物語だ
 
戦後何もかも失った経営者が
命がけで守ったもの
それは社員だった
首なし、タイムカードなし、定年なし、組合なし
社員は家族
だからこそみんなで助け合い、みんなで喜ぶ
 
一つの企業が日本や世界と堂々と渡り合い
ドキモを抜く戦略で業界を驚かせ
ひるむことなく次々に難問にチャレンジし
ハードルを乗り越えていくノンフィクションの実話の物語だ
 
独立の資金に大金をあげた日田重太郎との出会い
満鉄への油の納入
終戦で0からの再出発
GHQとの交渉
日本の石油業界との戦い
タンクの底の油の抜き取り作業
巨大タンカーの発注
バンクオブアメリカの巨額融資
日章丸のアバダン航行の決定
世界のセブンシスターズとの戦い
国際裁判での勝利
精油所建設
ソ連との石油取引
 
などなど数々の描かれていくドラマの中に
日本人としての考え方や
ビジネスの発想のヒントが秘められている
生きる勇気と感動をもらった
 
1974年5月
フランスの文学者であり哲学者でもあるアンドレ・マルロー(74歳)
このノンフィクションの主役である出光佐三(89歳)に質問した
 
あなたの会社は出勤簿もなくタイムレコーダーもなく
権限の規定も罰則もないと聞いたが
それでどうして人々を熱心に働かせることができるのか?
 
社員みんなを立派な人間に育てること
それをいつも私が心がけてきたことです
人を育てるのに権限や罰則なんかいりません
根本は信頼であり愛情です
そこから自然に人間の働く姿が現れてきます
 
私は人を信頼するということを広めていくことこそ
日本人の世界的使命だと考えています
 
ここに日本人本来のDNAがある
こんな素晴らしき日本人がいたことを誇りに思うとともに
日本人としてこのDNAを伝播していかなければならないと思う
徳を知る 無我無私 互譲互助
この事をどこまで努力して出来るかはわからないが
日本とは日本人とはを再度深く考えさせられる本だ!