地域活性,  発酵、食育、農業,  経済

海上エコ輸送(RORO船)

宮崎県はフードビジネスの拡大を視野に入れ
様々な施策を展開している
その中でも宮崎と大都市圏をどうやって結び付け
物流のネットワークを構築していくかは
宮崎県にとっては生死をわけることになるほど重要な課題である
 
さて全国的に見て近海航路の主要輸送手段として
注目を浴びているのがRORO船である
(ロールオンロールオフシップの略)
船の中をトレーラーが乗り込むことができクレーンを使わずに
直接貨物の積み下ろしができる船
貨物の大量輸送と荷役作業の効率化が図られ
物流コストを大幅に軽減するばかりか環境に優しいエコ輸送でもある

IMG_8798.JPGIMG_8796.JPG

 さて今日は八興運輸の田北専務に誘われて
はっこう21(RORO船)に乗り込み
実際の荷役作業風景などを見て
日向細島から大阪の泉大津までの体験航海
日向細島ではトレーラー41台がフルに乗船
この荷物だけでも800トンをこえる
そのほかに新車の乗用車が20台ほど乗っている
 
このはっこう21は15億円かけて平成13年10月に完成した
2187トン、6170馬力
全長 113m 幅 16.7m
3層構造の船内にはトレーラーの台車41台と
乗用車50台を積載することができる
 IMG_8809.JPGIMG_8803.JPG
コンテナが四列でぎっしり        八興運輸の田北専務
積み込み、台車のラッシング、そして航海の準備
乗組員9名と言う少ないメンバーでてきぱきと対応していく
甲板にはあっという間に台車でフルになっていく
乗組員の中には女性もおり、頼もしい限りである
荷物の中身は上りが旭化成の製品や木材、資料、ジュース、乗用車など
下りは鋼材や自動車などが多いと言われていた
 IMG_8805.JPGIMG_8814.JPG
台風の余波などの検討をキャプテンは慎重かつ冷静に判断
準備を整えて細島港を夕方4時半にいざ出航!
海上は思ったよりも揺れもなく
関西国際空港を横目で見ながら
早朝7時に泉大津の港に着岸
ここから500mしか離れていないところに
大王海運のRORO船があり
これに積み込みと千葉の首都圏までRORO船でつなぐことができる
なるほど!
これだと首都圏に送る農産品などの物流コストは
一挙に激減していくだろう
IMG_8821.JPGIMG_8823.JPG
泉大津の港             大王海運のRORO船(関東行き)
泉大津からの高速道路への乗り入れは5分もかからない
アクセスの良さも最適だ
関西圏に食料を出すには絶好の港でもある
また泉大津には花卉市場もあり
宮崎からもスイトピーなど様々な花が送られてくると言う
 
実際乗船し体験して感じたことだが
食糧基地としての宮崎が大都市圏にどう農産物を売ることができるか
を考えた時に
ドアツードアとエコの面からもRORO船が主流になっていくだろう
宮崎からの海上輸送の大きな可能性を確信することができた
 
現状では宮崎県内の単一JAや業者が
首都圏の市場にトラック便で運んでいるのが実態だと言う
フードビジネスを論じるなら物流は要の一番重要な問題だ
地域の活性化を考え
たとえばアクセスの良い宮崎港に冷蔵倉庫を作り
JAや業者から一斉に農林産物を宮崎港に集荷し
宮崎港から大都市圏に大量に輸送し物流ネットワークを造り販売していく
それが実現できれば
港と物流ネットワークの広がりと宮崎農産物の活性化がトリプルで可能となる
宮崎県として、もう少し海上物流を大局的に見て行く必要があるように肌で実感した