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魯山人の宇宙展 (都城市立美術館)

魯山人の生誕130周年を記念して
魯山人の宇宙展が都城市立美術館で開催されている
1883年3月23日京都で生まれた
 
魯山人と言えば芸術家、書道家、陶芸家、そして食道楽としても知られている
私は魯山人は芸術家でもあり食の総合プロデューサーでもあったと考えている
食の演出やもてなしの技
それを書や陶芸、料理人など食のあらゆる分野でたぐいまれなる才能を発揮した
毒舌、傲慢、不遜など様々な言い方をされているが
なぜだか私にとって憧れの存在でもあり愛すべき人物である
魯山人.jpg 
私にとって魯山人の一番の逸話は
フランスのトゥール・ダルジャンに行った際
鴨肉のソースをソースが合わないと言い
持参したわさび醤油で食べたと言う
あの時代のフランス料理は世界最高峰の料理だといってもよいぐらい
その中で堂々とした発言!
まさに只者ではない
このきっぱりとした味覚と凄みは彼ならではのことだろう
 
それほど彼は和食が世界で一番の物だとこの時代に見抜いていたのだ
そのことはこの言葉でも表されている
魯山人鮨.jpg 
西洋人や中国人が十の物を持って表現するところを
日本人は一の物で表現する
その思い切った省略の中に無限の美を味わおうとするのだ
 
彼は人生の中で6回結婚をして6回とも破綻をした
風呂上がりのビールの温度が気に入らないと怒って辞めさせた
お手伝いも何人もいたと言う
人生において家族の温かさとは無縁であった魯山人
しかしその天衣無縫な生き方と食に関する様々な作品は
人々の心をゆさぶり、なぜか共感させる
彼は食を宇宙の中心に考えて陶芸、書、環境など
全てを考えていた
それは
 
食器は料理の着物である
 
という短い言葉に如実に表されている
魯山人器.jpg
 
彼の食の執着は1925年 美食倶楽部 星岡茶寮として結実する
ここでの食のレシピや陶芸が和食の歴史にとって
大きなエポックとなっている事は間違いない
 
今回の展示会は春、夏、秋、冬と季節によって陶芸や書を展示してある
本物を味わえ と魯山人が言った言葉を
収穫の秋
じっくりと深く自らの心に浸透させていきたい