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ショパンとラフマニノフ

2005年12月浅田真央は15才
オリンピック出場資格はなかったが
素晴らしいジャンプで五輪金メダル候補だった
イリス・スルツカを破り世界の関係者をアッと言わせた
 
それから8年福岡で行われたGPファイナル
ショートの音楽はデビューと同じ
ショパンの ノクターン
 
ショートの演技は完ぺきだった
トリプルアクセルは回転不足の判定ではあったが
観客も真央自身もリズムと勢いがあり素晴らしい出来だと確信した
ラストの手と顔の表情の柔らかさが印象的だった
小さくガッツポーズをめずらしく見せた
 
自ら 『今シーズン一番の出来』 と口にし
得点も72、36と高得点をマークした
 
さてフリーの音楽はラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
バンクーバーオリンピックで使用した曲もラフマニノフの鐘 
彼女はこの曲を使いバンクーバーで銀メダルを獲得した
ラフマニノフの音楽は重厚でかつ複雑
非常にスケーターには難しい音楽だ
しかし彼女は力強さを与えてくれるとあえて再度
フリーの音楽はラフマニノフに挑戦した
 
序盤のトリプルは最初は転倒
2回目は両足着地だった
まさに窮地からのスタートとなった
しかしそこから体勢を立て直すのが今シーズンの強さだ
安定した演技とスケーティングのなめらかさ
豊かな表情と計算されたステップ
そしてブルーの衣装が
大人の女性の円熟味さえ感じさせてくれた
ラフマニノフの複雑な曲を見事に乗りこなして見せた
得点は大きく2位を引き離す131、66
1人だけ200点台と
見事な2連覇となった
 
ソチオリンピックに向け万全の準備ができていることを確信した勝利となった
 
オリンピックで引退を決めている浅田真央 23歳
 
それは音楽の選曲でも彼女の意志が垣間見える
デビューの時と同じ音楽のショパンのノクターン
そして前回バンクーバー五輪の雪辱を狙うラフマニノフのフリー
 
まさしく浅田真央の始まりと終わりを
自分自身で明確にしている
その意志の強さがソチオリンピックでフィナーレを飾るメダルを予感させる