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ホテルアソシア名古屋ターミナルの物語

知人の勧めで4月19日映画を見に行った
素晴らしい映画だと言われたがあまり期待もしていなかった
名古屋の小さなホテルのドキュメンタリーだと言われ
それが心に引っ掛かっていた
 
会場に行くと殺風景な場所で
少し心配になったがいよいよ映画がスタート
タイトルは 「日本一幸せな従業員をつくる」
ホテルアソシア名古屋ターミナルは名古屋の人に惜しまれながら
2012年9月30日36年の歴史に終止符を打った
 
映画の主役はJRの労働組合の事務局長から10年前に
ホテルに転勤してきた支配人の柴田秋雄氏だ
映画の最初の5分間で柴田秋雄氏に吸い寄せられていく
あと10日間でこのホテルの営業が終わるという
ホテルアソシア名古屋ターミナルは
柴田さんが来たときは債務超過寸前の4期連続赤字
それを黒字化して10年連続増収の記録を創り上げていた
ただ再開発のためホテルそのものが解散になると言う時だった
 
彼が目指したのはリストラでもなく、成果主義でもなく
日本一の従業員になることだった
 
障害者をうちは雇用している
特別扱いはしない
耳が聞こえない女性を採用し
レストランで働かせている
一番心配したのは母親だった
しかし彼女は家族とホテルの同僚に有難うとの手紙を書いてくれた
それをしっかり読む彼女の姿に泣けた!
 
名古屋を襲った集中豪雨があった
電車も止まりどこにも帰れない
駅もお客であふれかえった
他のホテルはお客の締め出しを始めた
アソシアは悩んだ末に居場所がない人たちのためにホテルを解放した
夜中にはスープのサービスを行った
総料理長が言う
気合が入ったんでしょう
あの時作ったスープは一番旨かったと
この事はあとで新聞はじめマスコミで話題になり
ホテルのイメージアップに貢献した
 
食中毒を出したことがある
7人だった
公表の基準は10人
後の影響は深刻だと考えたが
しかし正直に発表した
新聞社などマスコミは小さく扱ってくれた
クレームは何件かあった
しかし驚いたのはその後のお客様の予約の殺到だった
本当に感激した
 
出入りの業者の方々から
このホテルは家族か親戚のように思っている
 
銀行との約束で黒字にしないといけなかったとき
その年は赤字になりそうだった
そのことを知った従業員組合は10%自ら給与カットを申し出た
ありえない話だがそれでこの年黒字にすることができた
 
涙が出て止まらない
久しぶりにそんな思いを持った映画だった
柴田さんの熱さが心地良い
そしてお前が大切なんだと言う言葉に重みがある
どうすればみんなが幸せに働けるかをいつも考えないといけない
そのことが心に深く突き刺さる
再度会社とは、従業員とは一人一人幸せとは を考える良い機会になった
 
横に新しいマリオットホテルができたにもかかわらず
10年間前年比をクリアーしていった奇跡のホテル
そして名古屋のホテルで最もボーナスが良かったホテル
188人の家族を作ったホテルアソシア名古屋ターミナル
それはすべて柴田さんの言う従業員満足度なんだと
 
わざわざ宮崎までお越しいただいた柴田秋雄さん
素晴らしいドキュメンタリーを制作された岩崎監督にも拍手を送りたい
感動をありがとうございました
この感動のムーブメントが全国に拡がって行くことを祈念しています