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寿司というプレゼン!

安倍首相のオバマ大統領に対する
日本最初の食事のプレゼンテーションは
寿司だった
和食が世界遺産になり
日本としても様々な食文化を世界に売り込む
そんな思いを持った安倍首相の選択は
意外なサプライズとなってオバマ大統領を喜ばせたことだろう
 
日本ならではの食事のプレゼン
その最高峰の一つは寿司であり日本酒だと思う
職人の手仕事を見ながら楽しめる
しかも親密さと和やかさを強調するカウンター
 
オバマ大統領のコメントが
人生で一番おいしい寿司だったということでもわかる
これで日米の新しい信頼関係を結ぶことができると
個人的にも大変うれしいのだが・・・・・
もちろん世界への和食の情報発信効果も大変あったと思う
 
場所は銀座の雑居ビル
しかもトイレは店の外
そんなところに日米の首脳が集まるのだから
警備も大変だったようだ
動員された警備員は16000名ほどの凄い数となった
 
さて食事の場所となったのは
すきやばし次郎
今88歳でありながら現役の寿司職人
ミシュラン7年連続3つ星という偉業を達成しながら
ただ淡々と寿司を握る
ロブションはじめ、この寿司に魅せられた世界のセレブは数知れず
 
この寿司に魅せられたある若手の外国人監督が
2011年に制作したドキュメンタリー映画が頭をよぎった
 
 
タイトルは  「次郎は寿司の夢を見る」
監督は30歳の若手 デビッド・ケルブ
父親はNYメトロポリタンオペラの総帥 ピーター・ゲルブ
母親もフードライターという良い環境の中
次第に食べ物に興味を持っていく
たまたま山本益弘氏の紹介で訪れた
次郎の寿司で衝撃を受ける
シャリのふわふわ感とネタのバランスがパーフェクト
感銘を受け
ほぼ3か月にわたる取材を行い
ドキュメンタリー映画を完成させる
ただ見終わった後に本当に外国人監督が撮ったドキュメンタリーか?
と思ったほど日本的な映画だった
 
2012年3月ニューヨークのわずか2館からの映画の上映が始まる
アメリカ人から見た日本の職人気質の
異例のドキュメンタリーは口コミで瞬く間に広がり
興行収入250万ドルというドキュメンタリーの世界ではあまりないほどのヒットとなる
そして2013年東京で凱旋上映が行われた
 
この映画の中での
山本益弘氏の出会った次郎さんへの変わりない感動
次郎さんの握る寿司の日々の情景
2人の息子さんとの師弟関係
弟子たちからの素直な感想
築地のプロ達の声
少なくなっていく魚の食材
小野次郎さんの信念と覚悟
 
それらがモーツアルトやバッハのクラシックと映像が調和していく
それだけではない
小野次郎の心理と
現代音楽の巨匠フィリップグラスのリフレインの音楽と
映像の共鳴が何とも素敵である
何故日本人がこれを撮れなかったのかと思ってしまう
一度機会があればぜひご覧いただきたい!
 
1965年銀座で開業した次郎さん
現在88歳
シンプルを極めればピュアになる
もっと前、もっと上
自分の仕事に惚れなくてはだめ!
次郎さんの言葉は再び私の心に大きく反響している