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料理の魔法使い(ティエリー・マルクス)

8月10日、出張先が雨で外出する気分にもなれず
たまたまNHK-BSを見ていたら
人生をやり直す魔法のレシピの番組が始まった
タイトルが気になり番組を見始めた
 
主人公はティエリー・マルクス(52歳)
見かけは傭兵上がりのような坊主頭のおじさんだが
今やフランス料理のトップを走るシェフで
ロブション、アランデュカス、ピエール・ガニエールと匹敵すると言われるほど
ミシュランの星の請負人とも言われ
料理の魔法使い、味覚の錬金術師とも呼ばれている
 
現在はパリの高級ホテル
マンダリンオリエンタル パリのフレンチレストラン 
シュール・ムジュール(☆☆)のシェフである
 
シェフの仕事だけでも大忙しなのだが
彼にはもう一つ教育者としての顔がある
彼は貧乏な家に生まれ就職もできず軍隊に入隊したが
その後も就職できず長く暗いトンネルの中にいた
パン屋のアルバイトがきっかけとなりチャンスをつかみ
努力を重ねフランス料理店や日本料理店などを経験しながら
現在の地位を築き上げた
その自分の実体験が若者を何とかしたいとの思いに駆り立てた
 
フランスの若者の4人に一人は職がない
これを案じて自分の立場で何かできないかを考え
パリ20区の区役所と共同で料理訓練学校を立ち上げ運営している
試験に合格した若者は
3か月間みっちりと基礎から研修していく
徹底的にたたき上げられていく
彼は言う
料理の原則は 切り方、火加減、時間だと
これを会得したら人生で負けることはない
自由の扉がこれで開かれるのだと・・・・
 
ティエリー・マルクスの料理に大きな影響を与えたのが日本だ
彼は長年柔道をならっており
柔道から教えられたこととは
柔道で勝つとはあきらめないこと
そして相手と向き合う姿勢、そして礼節だと
日本の料理の印象は
日本の料理は自然と向き合っている
彼のフランス料理には四季折々の旬や繊細さを感じることができる
 
彼の料理スタッフに中に驚くなかれ、日本人が4人
セコンドは日本の女性が受け持っている
フランスの第一線で日本の若者達がチャレンジする姿に
将来の日本の逞しさを少しだけ感じた
 
ティエリー・マルクスは自分の体験から
フランスの現状を憂い
料理の指導を通じて若者が自ら切り開く未来への道を示してくれている
まさに人間賛歌だ
良い番組だった
 
一流の料理人として活躍するだけではなく
教育者であり料理の伝道師ともいえるティエリー・マルクス
彼のめざす新たな料理の未来も要注目だ!