経済

ロシアンデッドクロスの完成

2014年7月下旬に104ドル台だったWTIの原油価格は
12月16日には53ドル台まで急落した
わずか5ヶ月で半値まで沈み込んだ
 
きっかけはウィーンで11月27日に開催されたOPECの総会だった
OPECは日量3千万バーレルの生産量をそのまま据え置くことを決定
原油価格は76ドル台で推移していたが
一挙に急落
そして12月14日アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイエネルギー相は
原油価格が40ドル台になっても原産を行わないと爆弾発言
この発言で原油価格は50ドル台に突入
今後の石油の相場展開も先安感を増している
 
OPECの狙いはアメリカのシェールガスだ
アメリカのシェールガス企業の採算分岐点はほぼ40ドルから80ドル
これに打ち勝つためには価格競争もいとわない
1バーレル60ドルを切ると
アメリカのシェール業界は倒産が相次ぐことになるだろうと言われている
OPECの原油採算分岐点は40ドルだ
ここまで体力が持てるのはOPECだけだとの自負もあるのだろう
 
この争いでロシアが危機に陥った
ロシアの原油価格の採算分岐点は80ドル
これを一気に下回った
ロシア経済の輸出の3分の2以上がエネルギーに依存しているのだ
 
しかもルーブル安が拍車をかけた
原油安からロシアルーブルが急落
12月16日早朝ロシア中央銀行は金利を10.5%から17%に緊急利上げを実施した
しかしルーブルの急落は止まらず最安値を更新
一時は1ドル78ルーブルまで落ち込んだ
 
笑えない話がある
プーチン大統領は62歳
そして原油価格が62ドルを割れたまま50ドル台で低迷
1ドルは62ルーブルを上回って現在68ルーブル近辺
3つの62を軽くクリアーしたことでロシアンデッドクロスが完成した
 
ロシアンデッドクロスが実現するとロシアデフォルトの現実味が増すと
マーケット関係者では言われている
 
NYでは12月10日暴落の指標と言われる
ヒンデンブルグの予兆が現れると同時に
アメリカの株価も上下に荒い展開の日が続いている
世界経済の先行きの不透明感も増してきている
原油安から引火した火はどこまで経済に燃え盛るのだろうか?
現実味を増したロシアデフォルトから見える未来は一体誰が知っているのだろうか?
世界の国々の金融緩和で余剰流動性を増した金融の波はどこにでも襲い掛かる
2015年は激動の世界金融の始まりの年になるかもしれない