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ネットフリックスの台頭

オンライン動画配信サイト
ネットフリックスの存在が世界のメディア業界のなかでも存在感を増してきている
現在全世界のユーザーが6000万人以上
料金は月額7,99~11,99ドル
アメリカを中心に世界50カ国に配信している
売り上げは約7000億円だが
株式時価総額では5兆円にも迫ると言う巨大企業になりつつある
今後2年間で200カ国に展開する計画だ
これだけでも勢いが理解できるだろう
 
ネットフリックスのメディアとしての存在感の大きさは
今年のカンヌ映画祭でのキーノートスピーチが
ネットフリックスのコンテンツ部門の代表 テッド・サランドス
だったことからも明らかであろう
今後ネットフリックスは映画製作にも積極的に乗り出す
アフガンの戦争をテーマにしたウォーマシーンの映画を
ブラッドピットの制作会社と共同制作することを発表した
 
何といってもネットフリックスを有名にしたのは
2013年2月
デビッド・フィンチャー氏が監督した
ホワイトハウス入りを目指す下院議員が主人公の政治サスペンスドラマ
ハウス オブ ガード~野望の階段~
制作費が100億円以上の巨額をかけ制作された
驚きだったのは13話同時公開したことだ
テレビメディアではあり得ない事を行った
このドラマが話題になり、アメリカでは話題が沸騰した
そしてドラマはオンライン配信では初めてとなるエミー賞を受賞した
その後ディズニーと組んでデアデビルのドラマをヒットさせるなど
数々のオリジナルコンテンツ制作と開拓にも力を入れている
 
ネットフリックスの特徴は
ユーザーの視聴データの分析により
様々なユーザーの特性に合わせたコンテンツを薦めていることだ
結果、一日平均1時間以上と言う高い利用時間をキープし
アメリカのテレビ局にも大きな影響を与え始めている
 
このネットフリックスがいよいよ秋に日本に上陸する
日本のテレビ局のライバルになるのか、あるいは共存できるのだろうか?
ネットフリックスのアメリカの成功のパターンを日本で考えているとすると
映画会社と組んで話題の監督での映画製作や
キー局と組んでのアニメなどの番組制作が予想される
6月7日には吉本興業に制作資金提供を行い番組を制作することを発表
水面下の交渉を各民放と行っていたが
6月17日にはフジテレビから独自番組の供給を受けると発表した
テラスハウスの新作やアンダーウェアなどを配信する
 
ネットフリックスは
テレビはネットテレビに徐々に移行していくと考えている
ネットテレビは高度にパーソナライズされ、好きなときに見たい番組を見られる
時間に縛られるテレビは徐々に衰退していくと言う読みだ
また民放との連携で
番組コンテンツをネットフリックスに販売することで
ネットワークに関係なく世界のユーザーに映像を輸出することができる
ネットフリックスは秋からのスタートに向け
日本でのオリジナルのコンテンツ制作にも力を入れていくだろう
 
ただし問題点は日本はテレビは無料と言う意識がある点だ
日本では先駆けのアメリカの動画サービスだったHALUは
思った以上の実績を残せず日本テレビに売却された過去を持つ
 
現状でもパソコンやスマホに時間を奪われ
セッツインユースが徐々に減っていっている日本のテレビ業界において
ネットフリックスは現状は共存できるとはいえ
近い将来大きなライバルとなることは誰にでも予想できる
ただ制作サイドやローカル局から見るとオリジナルコンテンツを
世界に向け発信できるプラットフォームと考えれば
大きなチャンスの場になるとも言える
味方か、黒船か
今から、ネットフリックスから目が離せない