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JAPANWAYという誇り

宮崎シーガイア
その横の芝生広場では日本代表ラグビーチームのキャンプが
行われていた
練習プレー中に流れてくるカウントダウン
3,2,1,0 これがランの合図だ!
全員全速力で1方向に走って行かなければならない
それが終わると再び試合形式の練習
このパターンを繰り返し行うことにより
日本のラグビーはよりタフネスに生まれ変わった
 
名将エディ・ジョーンズは言う
強みを知り、強みを伸ばす
日本に当てはめると、目指したのはアタッキングラグビー
パスとランを組み合わせた日本独自のラグビーだ
パスとランで絶え間ない波状攻撃を相手を倒す
そのためには想像以上のタフな体と精神力が必要だった
それだけではない
エディ・ジョーンズは選手の一挙手一投足を観察し続ける
個人個人の性格や行動を加味しながら
少しだけ心に揺さぶりをかける
いつしか全員が一体感を持つようになってきた
 
ワールドカップの第一戦 9月19日南アフリカ戦
世界中のラグビーファンは誰もが南アフリカが勝つと予想していた
試合が始まった
五郎丸のペナルティゴールが決まる
南アフリカのトライ
しかし日本も負けていない
トライを奪い返す
前半終了時点で 10-12
思った以上の善戦だ
後半
倒されても倒されてもパスをつなぐ日本
この果敢で絶え間なく続く波状攻撃はあきれるほどだった
そして低い位置からと2人がかりのタックルは効果的であった
しかし終盤ラインを突破されトライを許してしまう
これで7点差
しかしあきらめない
立川から始まった理想的なライン攻撃で五郎丸がトライ
キックも決めて29-29
その後南アフリカのPGで29-32
ここで南アフリカがペナルティ
エディはここでPGの同点の指示
しかし選手たちはFWは負けていないとスクラムを組んだ
なんとしてもトライして、この試合を勝ちに行くという気迫だ
スタジアムはアウェイながらジャパンの大コールに包まれる
こんなことは今まであっただろうか?
パスはアナマキの突破力で最後はカーン・ヘルケスに渡され
土壇場で劇的なトライとなった
スポーツ界の衝撃とまで言われた歴史的な大逆転となった
 
まさにエディ・ジョーンズの魂が選手に乗り移り
最後はエディの魂を選手が乗り越え自立した瞬間でもあった
 
リーチ主将の試合に活力を与える力
五郎丸の祈るようなしぐさでけるキックの正確さ
田中の冷静な判断
立川の縦に突破していく力
 
今まで1勝していない日本ラグビーが
今年のワールドカップラグビーで3勝を挙げた
日本ラグビーが世界に示した勝利への執念、スピリッツ、そして誇り
美しい戦いだった
エディ・ジョーンズが描いたJAPANWAYが見事に花を咲かせた
この試合は人生における生きた教材となる!
エディ・ジョーンズが去ったあと
日本ラグビーは新たなJAPANWAYのスタートがまた始まる