経済

ドイツ銀行の憂鬱

ドイツ銀行の株価が史上最安値を更新している
リーマンショック後の安値をも更新しているのだ
マイナス金利で世界の銀行業界が苦境にあるとはいえ、
このドイツ銀行株価は何を物語っているのだろうか?
 
デリバティブ取引の巨大さ、補償金、相次ぐレイオフなど
ドイツ銀行の大きなリスクはこれまでも指摘されていた
 
世界の著名投資家 ジョージ・ソロス氏は
突然、現役にカムバックし
そのメインファンドであるソロスファンドは
英国がEU離脱の投票翌日の6月24日に
ドイツ銀行を700万株空売りし、利益を上げたようだ
 
そして6月29日FRBが行ったストレステストの結果
33行のうち
昨年に続き、ドイツ銀行の米国法人と
スペインのサンタンデール銀行の米国法人
2行が不合格となった。
 
6月30日にはIMFが
世界の巨大銀行の中で金融システムの潜在的なリスクが
最も大きいのがドイツ銀行だとする報告書をまとめた。
その次はHSBC、クレディスイスが続くという
 
ドイツ銀行は今後国内で
さらに数千人程度のレイオフを行うことが決まったようだ
 
現在の世界株式市場は
英国離脱を受け、ショック安に見舞われたが
今は何とか小康状態を保ちつつあるようにみえるが
7月6日の英国不動産ファンドの解約停止
イタリアの銀行の経営不安などもあり
まだまだ世界経済の先行きは混とんとしている
今年は市場にどんなブラックスワンが現れるとも限らない
 
ジョージ・ソロス氏はすでに投資の対象を
金と金鉱山株、アメリカ株のショートにターゲットを変更し
世界経済が不安定になり弱くなることを見越しているようだ
世界金融危機の前に市場にカムバックしてきたソロス氏
彼の頭に中にはどのような金融未来が描かれているのだろうか?
 
世界の株式市場が突然何かで崩れたときに
ドイツ銀行のリスクはさらに深まって行くことは確かである
しかも単なる一つの銀行にリスクにとどまらない
世界金融危機へ繋がる危険性をも帯びている。