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獺祭の口ぐせ(桜井博志)

獺祭の桜井博志会長が2冊目の本を出された
タイトルは 「獺祭の口ぐせ」
 
桜井会長ならではの明快な論理が
今までの日本酒の常識と全く違う観点から作り上げた獺祭
製品のコンセプト、製造、営業、米の確保などを苦労しながら
ブレイクスルーした道のりが痛快だ
 
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私が桜井会長に聞けなかった本音の話があとがきに書いてある
2016年12月
獺祭に衝撃が走った
磨き三割九分の商品の一部に虫が混入したことだ
その時獺祭の内情はどうだったのだろう?
 
桜井会長はあとがきでこのように書いている
 
今回の事故を機に、
あらためて経営や組織のありかたについて考えさせられましたが
いちばんの問題は、こんな山奥の酒蔵であるにもかかわらず
大企業病にかかり始めていることです
 
・・・・・・
旭酒造として見たとき、すべて起こらなくても良い失敗でした。
今までは回避してきた、
今回も回避できた「はず」の失敗だと考えています
会社の成長に合わせて、ここ数年
社内組織の確立を図り
集団指導体制を製造部門に取り入れてきました。
そして技術的蓄積も図ってきました。
愚かにも日本でトップクラスの体制だと信じていました。
それが組織の弱体化と
担当者個々の無責任体制につながっていたことに気がつきませんでした。
 
売り上げが伸びる中で大企業病にむしばまれていました。
新しいこともなんだかんだと理由を付けて実行しない
危機が予想されても何も手を打たない
何かやって失敗することを恐れる
そんな集団になっていました。
 
・・・・・・・・・
 
機械を万能視する。
会議を繰り返して衆愚体制になる
そんな大企業病になりかけている組織を全部ぶち壊し
もう一度再構築させていく覚悟です。
 
週刊誌には
メディアでもてはやされた驕りが出たのではないか と書かれ
直後の電話では厳しい電話が98件
冷静な電話は2件
ただしばらくすると
これを奇貨として努力しろという電話が8割となった
 
獺祭と言えば桜井会長のスマートな姿とさわやかな笑顔
がトレードマークだが
まだまだ獺祭の挑戦はこの人なしではありえない
桜井会長の覚悟で大企業病を克服し
その先の獺祭の躍進を期待したいものである!