世界にタダの昼飯はない(郭樹清主席)

新型コロナがまだまだアメリカをはじめ

多くの国で猛威を振るっている

しかし金融市場は2020年3月の暴落から急激な上昇を続け、

落ち着きを取り戻している

しかし実体経済の落ち込みと市場との違和感に

個人的にも何となくしっくりこない

コロナショックでの各国の膨大な金融緩和という余剰マネーが

単に流れ込んでいるだけではないのか?

そんな疑問を感じていた時

この人の発言で腑に落ちた

 

6月に中国で開催された陸家嘴フォーラムで

中国の銀行保険監督管理委員会の郭樹清主席の発言

は冷静に真当に金融市場を見ているように思う

 

郭樹清氏は2017年に中国の銀行保険監督管理委員会の主席に就任

当時4400兆円と言われる中国の銀行が抱える問題に

取り組み成果を上げていることが評価されている

2019年10月までの期間に銀行債務は22%低下させた

というから凄腕の手腕の持主である

 

新型コロナウィルスで世界の各国が打ち出した政策と

現状の金融市場について次のように話している

 

最後の晩餐ではなく、未来のために余地を残しておく必要がある

各国が打ち出した財政金融刺激措置は、

規模と程度の巨大さは史上前例がなく、初期作用が甚大で

限界効用は徐々に逓減する

ただ今後一定の政策余地ををあらかじめ残しておくべきである

中国はノーマル状態の金融財政政策を十分貴重と考えており

我々はバラマキはしないし、

ましてや赤字通貨化やマイナス金利は実施しない

 

世界にタダの昼飯はない、

なぜこれほど多くの中央銀行が紙幣の印刷を開始し

無限量の通貨を印刷しているのだろうか?

中国も欧州も、既に政府が金属貨幣を乱鋳造し

経済社会に危機をもたらした教訓を持っている。

さらに言うまでもなく、紙幣が出現して以後、

人類は多くの災難に遭遇してきた

金融業関係者ならわからないはずはなく、

ヘリコプターマネーも対価を支払うことになる

 

金融システムの強靭性は、

通常は経済が強く健全であることの表現であるが

実体経済がまだ回復していないのに、株式市場が高騰しており

このような状況は理解しがたい

国際金融市場と実体経済の背離は、これまでになく顕著である

国内債務は債務ではなく、対外債務こそ債務だ

米国にしてみれば対外債務も債務ではないと述べる

国外の専門家がいる。

本当に長く持続できるのだろうか?

 

インフレは盛会の経済・生活の中で消滅してしまったのだろうか?

国際サプライチェーンの回復には長い時間が必要であることを

考慮すれば、生産要素コストはさらに上昇し、

加えて各国の持続的な需要刺激により貨幣の派生メカニズムが変化し

インフレが捲土重来の可能性もある

 

まさしく正論である

コロナ禍で一挙に債務を拡大してマネーを供給し続ける各国

実体経済とはかけ離れ、維持膨張する金融市場

過去の金属貨幣の歴史を踏まえたうえで

その危うい未来を見通している

世界にはただの昼飯はない

世界各国の中央銀行に正面切ってここまで明快に論じる人物は

現時点ではなかなかいない。