温暖化対応米 南海166号

新米の待ちどうしい季節になってきた
新米の銀シャリと旬の秋刀魚の塩焼き
これを食べるだけで日本人で良かったと思える瞬間だ
 
日本のお米の作付面積ベスト3はコシヒカリ、ひとめぼれ、ヒノヒカリだ
九州はヒノヒカリが主力銘柄である
ヒノヒカリ(南海102号)はコシヒカリと黄金晴との交配によってできた品種
宮崎県農業試験場で育成され1989年にヒノヒカリの命名登録
1990年に種苗法による品種登録がなされた
九州の日(太陽)が輝く様を命名したという
ヒノヒカリの特徴は温暖地域でも美味しい米ができるということだ
 
しかし近年の地球温暖化による猛暑の影響で
コメの品種にも激変の状況が生まれている
ヒノヒカリは穂が出た8月から9月の気温上昇が原因で
米粒が白濁する品質低下が近年目立っていた
一日の平均気温が27度を上回ると品質の低下が顕著になっている
地球温暖化の影響が米にも拡がっている事実だ
 
より具体的にみると
ヒノヒカリの一等米比率は
福岡県 10.8% 佐賀県 11.9% 大分県 39.7%
長崎県 2.4%  熊本県 1.8% 宮崎県 10.3%
鹿児島県  23.3%
の悲惨な状況
 
こんなことから猛暑でも対応できる米の品種が緊急課題となっていた
九州で温暖化対応米の先鞭をつけたのが長崎県
九州沖縄農業推進センターが開発したにこまるの品種の栽培を
2006年に開始、2011年には2000haの作付を目指す
大分県も2008年からにこまるの作付を開始した
そのほかの県は独自の温暖化対応米を開発し2009年から作付を始めた
佐賀県 さがびより
福岡県 元気つくし
熊本県 くまさんの力
鹿児島県 あきほなみ
各県とも今年は作付面積を一挙に広げている
一等米比率も高いことが拍車をかけている
 
さてヒノヒカリを開発した宮崎県がやっと動いた
2011年3月23日宮崎県農業試験場は
10年かけて開発した耐暑性品種 『南海166号』を育成し
品種登録申請をすることに決めた
満を持してヒノヒカリの後継品種として育てる考えだ
食味はヒノヒカリとあまり変わらず
10センチメートル低いため台風でも倒れにくい
今年は70ha県西地区で栽培、生産する
出来栄えと味が楽しみでもある
 
さて全国を見てみよう
昨年山形で評判になったつや姫や
富山のてんこもり、てんたかくも実は温暖化対応米なのだ
どちらも作付面積は前年比25%以上の大きな数字になっている
日本のコメ自体が変わろうとしているのである
 
ヒノヒカリが地球温暖化の猛暑の中で一挙に輝きを失ってしまった
その中で切磋琢磨の取り組みを行い
日本一番の温暖化対応米先進地区と言われるまでになった九州
そんな状況でヒノヒカリ(南海102号)の後継品種が宮崎に生まれたのである
みやざき農業 期待の星
『南海166号』のシェア奪回と輝きを祈念したいものである
 
今更だが農業は脳業だと考える
時代や天候が変わっていく
そこをどう考えその地域ならではの農業をどう捉えていくかが大事だと思う

農村は亀鶴の楽園である
これは新渡戸稲造が農業本論に残した名文である
農は亀、商工は鶴
この亀と鶴の調和が地域の繁栄を招来し理想郷を作るのだと述べているだ