手造りと機械化の融合~獺祭~
今年2度目となる獺祭の蔵にやってきた
いつもながらのさわやかな笑顔の桜井社長
11月4日にはNYで150人のパーティを開催され大好評だったよう
NYの高級レストランではキャビアやスモークフィッシュに
日本酒が合うと言われ始めているようだ
工場全景を改めてみるとでかい
山奥にそそり立つ威風堂々とした獺祭の蔵
酒は絶好調
特にアメリカへの輸出は前年比90%以上の伸びで
新工場が稼働したとはいえ
商品が全く足りないようで
需要期の12月をどう超すかが頭が痛いと話されていた
まずは工場長に案内されて見学を・・・
私が見た獺祭の新工場のポイントは3つ
①人手をかける
まずは手間をかけるところは徹底的に人手をかける
特に洗米は15キロという少ない分量を
人手をかけて何回も行う
これには手間暇を惜しまない
そして仕込みタンクの一個当たり5キロリットルが100
3キロリットルが200という小ささと数の多さ
小さなタンクにすることで品質の修正と管理がこまめにできるという
獺祭はコンピュータで造っているからとおっしゃる方も多いようだが
実はしっかり人手をかけて造っている姿勢こそが
美味しい酒を生み出していることが理解できる
②分析と修正への指示
凄いのは毎日のタンクデータをチェックしながら一個一個タンクごとに管理するシステムだ
前回は工場ができたばかりで分析室は稼働していなかったが
今回はじっくり見学することができた
分析室でタンクごとのデータを見ながら
過去の経験やデータを分析しながらタンクごとに
冷やすか温めるかなどの手順を決め
より品質が同じになるように修正されていく
タンクごとに人手をかけていることが品質へのこだわりとなる
その指揮を執っているのが西田製造部長だ
獺祭の生産のポイントはここにあると言っても過言ではない
桜井社長にお話を聞くと
まさに獺祭の生産の胆はここにあるとおっしゃられた
③大胆な新発想
四季を通して生産される四季醸造
そのため工場内の温度は麹室以外は年間5度に保たれている
11階で洗米し、最後の完成品が下の階になるという合理的な生産ライン
世界最大と言っても過言ではない麹室の広さ
しかもすべて周囲はステンレス、
これが実は麹室はあと2部屋あり
将来の生産に対応できるように準備を整えている
通常の蔵の麹室は杉の場合がほとんどだ
全ては今までの蔵の概念と常識を打ち破った大胆な発想とシステムだ
試飲室の入り口には完熟した柿が季節を感じさせる
店内には以前の名称
旭富士の看板が・・・・・
山田錦の稲穂と獺祭の瓶
宮崎から同行された方々も
新工場の大胆な麹室の広さと合理性
人手と機械の融合による合理的な発想とシステムに感嘆の様子だった