
河井寛次郎記念館(京都市清水五条)
京阪5条駅から歩いて10分ほどの路地に
河井寛次郎記念館がある
ここは1920年に自宅として建てられたが
室戸台風で住居が損壊したのをきっかけに
登り窯の形に対応できる自宅兼仕事場を自ら設計し
大工である実家の協力で
1937年に完成させたのが現在の記念館である

河井寛次郎は大正、昭和時代の民芸運動の第一人者と言われ
用の美を追求し、新しい日用品を制作、普及しようとした人物である
1921年高島屋の展示会で華やかな作品を披露して
鮮烈なデビューを飾り、多くの支持を集めたが
自らの作品に疑問を持つようになり、制作を中断する
柳宗悦氏の集めた無名の陶工の磁器の展示会で
簡素な美に衝撃を受けたことにより民芸運動に共鳴していく
無位無冠の陶工とも言われている

ただ海外では1937年のパリ万博でグランプリ
1957年のミラノビエンナーレでもグランプリを受賞するなど
海外でも著名な陶工でもある
住まいとアートの世界が共有しているのがとても良い


どこか懐かしい雰囲気もある

暮らしが仕事、仕事がくらしと言っていた
河井寛次郎の息遣いが見えてくるような記念館である
