第3の奇跡を・・・・

東日本大震災から6か月が過ぎようとしている
昨日、久しぶりに日経新聞を整理していたら
ある記事が目に飛び込んできた
3月31日付けの日経新聞
私の履歴書 安藤忠雄 31回の最後の記事である
3月中掲載された履歴書の途中で東日本大震災が起きたのである
安藤さんの生き方は大好きだ
独学で建築を学び世界をまたにかけて活躍する建築家
ハングリーで情熱的でバイタリティにもあふれている
愛する日本に対する叱咤激励の文章である
 
読み返してみても心に深く響く
今の日本にとって大事にしてほしい文章だ
ぜひ皆さんにも読んでいただきたい(抜粋)
 
国際社会で先頭を走ってきた日本は今、存在感を失い
国際化の波に乗れず、将来像がつかめない
教育は画一的で、政治には信念がない
そこに大震災が起こった
人間の力をすべて打ちのめすほどの地震と津波が我々を襲った
自然の猛威にただ茫然とたたずむ
 
こういう時こそ一人一人に何ができるのかを
自らに問わなくてはならない
日本は歴史上2度の奇跡を起こした
そして今再び奇跡を起こし何としても日本を復活させなければならない
本来日本人には素晴らしい国民性がある
自身の経験からしても土木・建築の技術力や
スケジュール・品質・安全衛生の管理能力は世界トップレベル
他の部分でも探究心が強く勤勉な民族として海外から高く評価されてきた
 
過去の奇跡の一つは明治維新
幕藩体制から一気に近代国家を作った
その素地は300を超える諸藩の教育だ
藩ごとの特色が打ち出され学ぶ人の目的と個性を考慮する教育
熱意ある柔軟な教育が生み出した人材が時代の扉をこじ開けた
 
第2の奇跡は敗戦後
数十年のわずかな間に見事に発展した日本の姿だ
 
しかし経済大国と言われ始めた1969年ごろから
実直な国民性が色あせていく
70年の三島由紀夫の防衛庁占拠・割腹事件は
今思えば以降の日本の凋落を暗示する警鐘だったのかもしれない
人は考えなくなり、闘わなくなった
経済的な豊かさだけを求め、生活文化の本当の豊かさを忘れてしまった
未来を担う子供たちは親の引いたレールの上を走るのに精いっぱいで
想像力を養うための貴重な時間は失われている
 
本来子どもは友達と自由に、自然と戯れながら遊ぶ中で
好奇心を育み、感性を磨き、挑戦する勇気や責任感を養う
今子供たちは過保護に育てられ、自分で考える体験が絶対的に不足しており
緊張感も判断力も自立心もないまま成人し、社会を支える立場に立つ
 
正しい価値観で物事を決めることができず
国際社会で立ち遅れている今の日本と
子供の教育を取り巻く状況は決して無関係ではない
 
私は自分で生きる力を身につけなければならないという想いを
人一倍強く持ってきた
だから自分の意思が希薄で、人と直接ぶつかりあおうとしない
芯の弱い子供を見ていると
日本の将来に深い危惧の念を覚える
人間性を育む教育を行い、自分なりの価値観を持つ自立した個人を作り
家族や地球への愛情を持った日本人でなければ
未来は見えてこない
 
その日本は存亡の危機にある
今こそ第3の奇跡を起こすべく日本は真に変わらなければならない