マイケル・サンデル教授の警告
講義はこんなにも面白いものなんだと認識させたのが
ハーバード大学マイケルサンデル教授の対話型の講義だ
テーマを説明し、現実的かつ時代に合ったタイムリーな質問を投げかけ
いろんな意見を引き出しながら
冷静に判断しながら様々な哲学者の考え方を説明し
次のステップに進んでいく
そのプロセスがとても興味深くスリリングでもある
ドラマチックな構成
そして身近な道徳のジレンマ・・・・・
これが正しいと言わない『考えさせる講義』だ
彼は発言する人を次のように選択すると言う
最初からずっと手をあげている人
あるいは質問を言った瞬間にあげる人には指名をしないそうだ
少し考えそして遅れて手を挙げる人
この人の意見こそが講義を構成させ充実させる元になっているのだと言う
最高の教育とは自分がいかに考えるかを学ぶこと (マイケル・サンデル)
さて10月12日
韓国のソウルで世界知識フォーラムが開催された
そのなかでマイケルサンデル教授は講演を行ったが
タイトルは
『 正義、金、そして市場 』 ~何が公正な社会か~
ここ30年ほどの間、市場主義と功利主義が哲学として
受け入れられてきたが
金融危機を機に市場主義に対する根本的な疑問が大きく
提起されている
利益は私有化され損失は共有化された
今回のアメリカのデモは
アメリカの金融界は収益は経営者と従業員がすべて取り
損失が出ると政府が救済すると言う
政府の危機対応方式に多くの庶民が怒りそして挫折したと言うことだ
不平等が深刻になっている危機感を表している
世の中にはお金で買えないものもある
今までの市場至上主義はすべてのものにインセンティブと価格換算を
適用するものだ
世の中にはお金で買えない価値があると言うことも認識しなければならないし
お金で買えてもしてはいけないものを議論する必要がある
特に教育、健康、環境、人権
の4つの分野はどんな役割を果たすべきか改めて考えるべきだ
混合資本主義の時代に・・・・
資本主義は1つの形ではなく国ごとにアレンジが必要だ
私たちが生活を向上させるために最も良いシステムが何かを
悩まなければならない
新しい資本主義は社会保護を含む混合資本主義にならなけらなならない
マイケルサンデル教授の講演は
まさに今の資本主義に対する大きな問題提起だ
とても共感が持てるし、その通りだと考える
アメリカの資本主義が複雑な金融商品を開発し
しかもそれがすべての分野にわたって行われてきた
デリバティブ取引が拡大し、その結果がリーマンショックを起こし
各国の経済政策では間に合わず
いよいよ世界金融危機の瀬戸際まで来ているのだ
今こそ我々は再度、公共性、倫理性を考え
未来の世界を見据えて
マネーで犯してはならない領域を明確にしていかなければならないのではないだろうか!