蕎麦しみず(宮崎市)
「不失花」(うせざるはな)と言う言葉がある
樹木希林の癌の告白をしてからの映画や仕事ぶりを見る度に
この言葉を強く感じている。
どんな年になっても
老いても老木に花が咲く
その道を求め精進したものだけが手に入れられる
体の中から自然と輝く美しさ
それが理想の姿であり、真の花であり、「不失花」(うせざるはな)だと・・・・
そんなことを感じる蕎麦職人が宮崎にもいる
個人的にも20年以上のお付き合いがある蕎麦屋さんだ
名前は 蕎麦 しみず
ゼネコンの世界から脱サラして蕎麦屋を始めた
今は一人だけでされていて
淡々として気負いもない
日々、そばの状態を見極めながらそばを打つ
最近少し物足りないという方もいらっしゃるが
自分の体力を考えながら日々打つそばは
みずみずしさと香りの高さも素晴らしい
今日は酒と蕎麦を楽しむ
酒は浦霞と鍋島大吟醸愛山
愛山は最初の一口は濃厚なのだが
飲み進めるとうまさが際立ち、チャーミングなジューシーさが顔を出す
色んなつまみを食べて酒を楽しむ
最後の〆は天婦羅蕎麦
ある京都の有名な寺の総代が
ここの蕎麦を食べて旨さに驚愕されたという
心なしか笑顔も優しくなったように思える
現在のご主人の体をいたわりながらも
まだまだ頑張っていただきたい九州に誇る蕎麦の名店である