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コロンビア大学講演(獺祭・桜井博志会長)

獺祭の桜井会長が

アメリカNYにあるコロンビア大学で講演をされた

場所はヤンキースタジアムの近くだったとか

アメリカの蔵も完成が近づいているようだ

さて講演内容に大変印象的な部分があったので

抜粋してご紹介したい

日本酒は日本で生まれ育ち米と水を原料とする醸造酒です。

そして、日本民族の歩んできた歴史に言うまでもなく大きな影響を受けています。

日本の国土は四方を海に囲まれて、そして山が多く平野が少ないことを特徴とします。

従いまして農耕地として使える平野はヨーロッパ各国やアメリカ等と比べるととても少ないといえます。

しかし、明治初年1868年の人口を見ますと3400万人に達しています。

産業革命も知らない当時の日本でなぜこれだけの人口が維持できたのでしょうか? 

それは労働集約型農業の発達、特に米作によるものが大きいのです。


面積当たりの少しでも高い米の収量を求めて、

苗床などの手間のかかる栽培技術を発達させてきたのです。

さらにそれを助けたのは、わずかな収量増のためでもそれがプラスであるなら

それ以上の人手をかけることを厭わない、いやそれを正しいこととしてきた日本人の考え方です。

結果として中世以降の日本の農村で、跡継ぎでない次男三男も

過剰な人員として切り捨てられるのでなく、村の貴重な働き手として抱え続けることができたのです。

この時代にして珍しく大きな人口を日本が維持できた理由は栽培方法を工夫することにより

収量の上がる米を主食とし、改良してきたことが大きいのです。

つまり、自然をそのまま受け入れるのではなく、工夫することにより共存して共生していく。

そのためには農業技術の改善が大事になります。
このことは米を原材料とする酒造りにも大きく影響しています。

つまり酒造りにとって技術が非常に重要な事なのです。


ワインについて門外漢である私が言及するのですから的外れな事を言っているかもしれませんが、

ワインを見ていますと、ヨーロッパの気候や大地に大きく影響されていると思うのです。

醸造技術やブドウの栽培技術というより自然のままに造られることを尊ぶように思われます。

このあたり、技術の捉え方という点が日本酒とワインの大きな違いであると思います。

日本酒はどこまでも日本人の民族性と価値観そして歴史に色濃く影響されている飲み物と思います。

…………………………

獺祭がアメリカ、それも東海岸のハイドパークで純米大吟醸を造ります。

それは獺祭Blueと名付けられます。

Blue(青)はなぜ付けられるのか? 

日本に「青は藍より出でて藍よりも青し」という言葉が有ります。

日本において青の染料は藍色の染料から生まれたのですが、藍よりも青かったのです。

転じて、子が親を抜くとかそういった事を表します。

私も獺祭Blueは日本の獺祭を美味しさで抜いてほしいという願いを込めて命名しました。
アメリカの皆様、どうか獺祭の新しい挑戦を応援してください。

日本の工夫し改良されていった稲作農業と日本酒を結び付けて

アメリカの皆さんにアピールされたのは

桜井会長ならではの鋭い視点だ

日本酒とワインとの違いを端的に表現されたのも会長らしい

逆境だからできた獺祭のブランドの説明もアメリカの方にとって明快だったと感じる

獺祭のその先へが始まる・・・・

アメリカで生産される獺祭Blueがこれからまた楽しみでもある