地域活性,  ,  経済

貨物便の逆利用

ANAの打ち出したギャラクシーフライトが人気だ
 
夏休み限定の7月18日から8月31日まで
羽田―那覇を一日一往復(月曜以外)の深夜便でのフライトだ
羽田を深夜0時に出発、那覇に2時半着
折り返しが
那覇を4時40分に出発 羽田に7時着となる
 
このフライトの発想が大変興味深い
実はこのフライトは貨物便の有効利用なのだ
全日空は沖縄ハブに力を入れている
沖縄からアジアへ日本の荷物を輸出する
アジアへの一大物流拠点として沖縄を考えている
 
羽田から那覇の旅客機のボーイング777-300機による貨物便
機内倉庫には航空用コンテナ44台を満載して貨物を運んでいた
514席の客室は空いたまま
この客室の有効活用が図れないかと考えたものだった
 
大きなハードルがいくつもあった
客室に何人載せて旅客用荷物コンテナをどれだけ確保するか
貨物と荷物のバランス
旅客をどこに乗せるのか
様々な問題をクリアーしながら
旅客は514席の3分の1の150人
しかも荷物とのバランスで後方座席のみ使用
プレミアムシートは無
チェックインは両日にまたがるため
システムを変更する大きな経費を考慮してアナログで行うことを選択した
 
裏の事情はボーイング747の退役による羽田―那覇の輸送力不足だった
777の方が50席少ないため夏休み期間を見ると
全体で20000席もの減少になるのをカバーする狙いもあった
 
売り出しは4月25日
価格も最安値で9980円というお得な価格に設定した
発売すると予想以上の反応
ほぼ満席の状態だ
個人客ばかりか旅行会社やホテル、レンタカーの会社も歓迎し
午前3時からのホテルのアーリーチェックイン、レンタカーでの到着利用など
協力体制が組みあがって行った
 
貨物便を旅客に利用する
まさに今までの日本の空の世界では考えられなかった新発想である
オリンピックを見据えると
羽田発着の国際便は増加していくばかりだ
 
そのなかで羽田と地方を結ぶこのような深夜便の増大と定期運航は
新たな旅行需要の掘り起こしになりうる
空の活性化の意味でも
この夏のANAギャラクシーフライトは注目に値する