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西都、曽我さんの完熟マンゴー

おかげで大吟醸を楽しむ会のチケットは早々に600枚完売した
今年は同じ日7月3日に東京で
東北酒フォーラムが開催されるようだが
そんな中で東北から宮崎まで来ていただける蔵元さんには
感謝の気持ちでいっぱいである
 
さて大吟醸を楽しむ会の蔵元さんのお土産にと
西都の完熟マンゴーを差し上げるようにしたのは
もう10年以上も前からのことだ
当初はちりめんや色んな宮崎の特産品をさしあげたが
結局西都の完熟マンゴーが一番人気が高く自然に定着してしまった
 
さて今日は西都の完熟マンゴーのルーツ
曽我一敏さん宅にお邪魔した
飾らない朴訥とした曽我さんの西都弁、
妻の久子さんもまさに日向かぼちゃ、味があるのだ
あっけらかんとした天然のあったか夫婦である
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散髪したばかりのすっきりした曽我さん  
西都の完熟マンゴーは1986年に8軒の農家で栽培が始まった
8年間売り上げ0で歯を食いしばって頑張ってきた
 
たまたま自然落下したマンゴーを食べてみたらそれまでにない美味しさ
そこから新しい発想が芽生えた
西都独自のネットをマンゴーにかぶせ
樹上で完熟落下するマンゴーをネットで受け止め
糖度15%以上の基準をクリアーしたものが「太陽の卵」として出荷
これが宮崎完熟マンゴーのルーツとなったのである
 
じわじわと完熟マンゴーの美味しさが全国的に広がって
定着しつつある頃の2006年9月
台風の水害でこの部落のマンゴーの木が2000本ほど流された
曽我さんもハウス2棟は全壊、あとのハウスも水につかり
葉についた泥を落とすのに2か月もかかったという
曽我さんも頭を抱えた
 
その時に日本の酒と文化を守る会会長であり
大吟醸を楽しむ会の世話人でもある村田会長が発起人となり
蔵元と有志の人たちが曽我さんに義捐金を送ったのだ
全国蔵元の温かい心に曽我さんは黙って頭を下げた
 
今日採りたての甘いマンゴーをいただきながら
今年の出来はと曽我さんに尋ねると・・・・・
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4月の天気が良かったこと、気温が高かったこともあり出来は良い
初出荷はいつもより早く5月10日ごろから始めたという
最後は7月10日ぐらいのようだ
頭が痛いのは燃料価格の高騰だと曽我さんは言う
マンゴーは花が咲く2週間前の1月中旬からハウスを25度に保つ
そのため一晩にハウスでは重油を400L使用する
それが5月まで続くのである
3年前からすると燃料価格は約1.5倍だ
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これがマンゴーの木      一つ一つにネットが被せられる
東国原知事のブームで高騰したマンゴー価格も
今年は大震災の影響で値下がりが続くと言う
 
宮崎県内でも西都でもマンゴー農家が増えているがと聞くと
残念だが良い商品ができていない
指導する技術員の資質も低下していると辛口の意見
 
西都でも今や40軒とマンゴー農家は増えているが
お勧めの良い商品を作っているのは本当に数件だけだと・・・・
マンゴー栽培に参入してきた若い人たちにも苦言を呈する
良い見本を参考にしない、勉強しない
良いハウスを見て盗もうとしないと若い人にも愛情を持った手厳しい発言
 
宮崎完熟マンゴーのルーツであり初めから見続けている曽我一敏の眼は
宮崎のマンゴーの行く末と未来に不安感を抱いているように見えた
環境の激変、マンゴー栽培の広がり、若い人の育成、そして燃料高騰
そして良いマンゴーブランドの差別化
宮崎マンゴーも様々な問題を抱え
大きな転機を迎えているように感じる
 
しかし曽我一敏さんにはとことん本物のマンゴーを
西都で栽培し続けてほしい
最後に曽我さんの自宅の裏庭に植えた無農薬のなすびを貰って
西都を後にした
なすびも久子さんに似て丸っこい(笑)
今日のツマミは焼きナスにしよう・・・・・・
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