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イアン・ブレマー世界リスクの今

『Gゼロ後の時代』などの著者で
国際情勢のリスクを分析する調査会社ユーラシアグループのトップ
で国際政治学者イアン・ブレマー氏が
2015年の10大リスクを発表して4ヶ月あまり
現在、世界は彼の言うリスクの通りに
動いているように見える
ベスト5のリスクを検証してみよう
 
1)ヨーロッパ政治の弱体化
 
ギリシャでは反EUのツィプラス政権になりEUとの交渉も
難航している。
ギリシャの銀行から資金流出はどんどん起こり
いつデフォルトになってもおかしくない日々が今後も続くだろう
最近ではギリシャ国債の利回りが25%を超えたようだ
ギリシャはロシアよりの発言をしてEUを揺さぶる
反EUの傾向はこれからもスペインなどほかのEU諸国でも波及して広がっていくだろう
ECBのドラギ総裁はEUの金融緩和の実行で景気回復を考えているが
絵に書いた餅に終わりそうである
EUのデフレは止まらない
EUの政治はますます混迷の度を深めていくように感じている
 
 
2)欧米と対立深めるロシア
 
ウクライナはロシアは譲歩するつもりはさらさらない
欧米はそれに対抗してロシアへの経済制裁を続ける
ロシアとEUは水面下で経済は密接につながっているため
ロシアへの経済制裁が欧州に与える悪影響を懸念する人も多い
そして原油安もありロシアは経済的には大変苦しいが
プーチン大統領の支持率は国内では非常に高い
 
私が懸念するのはロシアからアメリカへのサイバー攻撃だ
最近アメリカ政府へのサイバー攻撃はロシアが関与しているとの
アメリカ政府からの報道もあったばかり
ロシアから金融のサイバー攻撃を受けた場合、
アメリカだけではなく世界の金融への影響は計り知れない
そればかりかアメリカはイランや北朝鮮などの国からも
サイバーテロの標的となる恐れがある
この脅威はずっと続いていく
世界金融緩和で世界同時株高で沸いている経済だが
サーバーテロという違う意味の金融ショックに身構えている必要があるだろう
 
 
3)中国経済の減速
 
高成長率は過去の話となり、内需を盛り上げて成長率を維持するシステムに移行したい
のが中国の本音だろう
AIIBでは中国はしたたかに動き、世界金融覇権への道筋をつけた
しかし高度経済成長のひずみは様々なところに広がり始めている
汚職の摘発をはじめマカオのカジノまで調査するという徹底ぶり
中国も金融緩和に舵を切り、ソフトランディングへ持っていきたいところだが
今まで不動産投資に行っていた資金は
中国の株式市場に流れ込み一挙にバブルの様相を呈してきている
この反動も注意する必要があるだろう
現実に中国が減速すると
ブラジル、タイ、オーストラリアなどをはじめイギリスやドイツなどにも大きな影響を及ぼす
今年は中国からも目が話せない
 
 
4)アメリカによる金融の兵器化
 
ロシアやイランに対しての経済制裁は裏返しとして
アメリカへの金融サイバーテロの脅威となる
実際起こった場合はドル機軸体制が崩れるきっかけになりそうだ
世界同時株高の今だからこそ
2)とリンクすることだが個人的には今後世界の最大リスクになりそうな予感がする
 
 
5)広がるイスラム過激派組織への脅威
 
中東から来たアフリカまで広がっていくテロの脅威
日本人も標的にされる可能性が強まっている
 
イアンブレマー氏の予測は現段階ではほぼ100%的中している
今後の世界で今以上に強まってくるアメリカVSロシア
それにEUの政治低迷と中国の減速が絡み
イスラム過激派のテロの脅威と金融サイバーテロの脅威に
世界は晒されて行く
 
またイアンブレマー氏は日本の日興アセットマネージメントと提携を行い
地政学リスクに対応したアジア新興国の金融商品を立ち上げるとのこと
今後も 国際政治学者 イアンブレマー氏は要注目である!