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EMBARRASMENT(恥)

アメリカの女性文化人類学者 ルース・ベネディクトが
1946年に「菊と刀」を出版した
この本が戦後初めての日本文化論だろう
 
その中には欧米は罪の文化
日本は恥の文化だと規定している
 
欧米のキリスト教文明では行動の規範は
明快な宗教戒律
これを守ると心は晴れ晴れ、反すると罪の意識を感じる
 
日本人が意識するのは他人の目
怖いのは神や仏より他人の目であり他人の口
他人に笑われたくない、恥をかきたくない
これが行動を規定する恥の文化と書いている
 
人は一代、名は末代
武士は食わねど高楊枝 等の言葉は
恥の文化を良く表している
 
また罪の文化では罪を犯した者が罪を告白することで
心が軽くなるのだが
恥の文化では罪を告白しても心は軽くならない
逆に悪い行為が世間に知れない限り悩むことはないのだという
 
2020年の東京オリンピック
日本人から見ても
あきれるような責任不在の大きな問題が露呈してしまった
新国立競技場問題
そして9月1日のエンブレム使用中止
2つの問題とも全世界に知られてしまった
特にエンブレム問題は大きな恥の上塗りとなった
 
海外のプレスはEMBARRASMENT(恥)と
辛らつな表現が相次いでいる
恥の文化の日本人からすると一番屈辱的な言葉である
 
日本政府、日本人ともに襟を正し
再度東京オリンピックに真摯に向かう姿勢が今こそ問われている