タルマーリーのその後
3年ほど前に岡山の辻本店にお邪魔した際
人気のパン屋さんがあると紹介されたのがタルマーリーだ
辻本店から歩いて2~3分ほどのところに
そのパン屋さんはあった
ご主人の渡邊格さんは言う
311が動機付けとなった
大きく価値観も変わった
生きていくための保証がこんなに脆弱だったということに気づいた
千葉で開業したお店を移したいと
全国の土地を捜し歩き
美味しい水と麹菌が決め手となった
岡山の勝山に移り住み天然酵母のパン屋さんを始めた
その味は評判となり人気となっていった
菌を採ってパンなり発酵に変えていくことで
持続可能な物差しを菌が教えてくれるということが分かった
その理念をまとめて 腐る経済 として出版
一躍注目度も上がった
紙幣は腐らないから良くない、
今の経済体制は収奪になっているのでこれを循環にするべき
腐る経済だからこそ持続的に循環していく
起業論としてだけではなく発酵学、家族論まで考えさせられる本だ
勝山でも人気のパン屋さんだったのだが
将来に対する不安が消えない
理想の夢は高まる
6mの製粉機が店に入らない
これがきっかけとなりまた再び鳥取県の智頭町へ移り住む
キーワードは森の中の循環
勝山は町の中だったので
農と離れている部分が大きかったと反省
もっと農地が目の前に、そして水がよいところ
たどり着いたのが鳥取県の智頭町
森林が93%の森の町
林業の方から薪を頂いてそこに対価を払い
林業の方が森を守ることでうちの水がよくなり
その水でパンを作ったり地ビールを造って行く思いを抱いて移転した
場所は廃校となった保育園
ここに手作業で6カ月かけてカフェと窯を作った
製粉機も設置した
地元の小麦、自家製酵母、手づくり窯で焼くパンやピザ
地域の雇用も6人採用
価格設定で奥さんともめた
もう少し安くしたい
奥さんが毅然と6人雇用して価格を安くする必要はない
渡邊さんはそうだなと思いなおした
古代から森は
持続可能な生態系をつくってきていた
分解して分配して循環して、持続可能な生態系を作っているのが森だ
その形に近い農業生産体制で作られたものを使っていくのが
持続可能につながって行くのだと思う
渡邊さん家族のタルマーリーの今後の挑戦を見守っていきたい!