花森安治の世界(Eテレ)
とと姉ちゃんでおなじみとなった暮らしの手帳
広告を取らず商品テストという方式で
あくまでも消費者の側で暮らしを考えた独自の雑誌
その創刊号から表紙画を描いていたのが花森安治氏だ
Eテレの日曜美術館で特集が3月5日放送された
花森氏は表紙画だけでなく
暮らしの手帳の編集長でもあった
戦後の復興がようやくスタートする時期の
1948年に創刊号を出すことができた
表紙画は幸せな生活の営みが見えるようだ
戦後の荒廃した現実から
彩りのある暮らしをテーマに
鍋やフライパンなど台所の風景や
街並みを描いている
この時代の表紙画のキーワードはランプだ
世を照らす灯としてのランプは
暮らしの手帳に対する花森自身のテーマでもあったように思う
1950年後半
日本は高度成長期となって行く
花森氏はこのころから写真を多く使い出している
フルーツやパン、コーヒーカップなど
暮らしに寄り添う食材や道具などの写真が表紙を飾った
今見てもとても新鮮だ
創刊100号の制作の時期に心筋梗塞で倒れ
病院で2カ月の療養生活
そこでスケッチブックを買って描いたのが自画像だ
退院後表紙画のモチーフとなったのが
女性たちの姿だった
女性の社会進出が進んで1970年代
女性こそが暮らしの中心であると確信していてのだろう
1978年2度目の心筋梗塞で倒れ亡くなられた
NHK朝ドラで花森氏を演じた唐沢氏は
右脳と左脳を駆使して
編集をやり、また表紙画を描く
これはスーパーマンだと話をされていた
花森氏は暮らしの手帳を通して
日々の生活の細やかな配慮が
世の中の幸せに繋がって行くのだと言いたかったのかもしれない