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オッペンハイマー(映画)

原爆の父とも言われるオッペンハイマー

その重たい題材であるのに

何故これほどまでに絶賛されているのだろうか?

しかもゴールデングローブ賞5冠

アカデミー賞7部門受賞という

どちらも監督賞、作品賞、主演男優賞、助演男優賞を受賞しているなど

驚くべき多くの受賞を成し遂げている

原作は2006年ピュリッツア賞を受賞した

カイ・パードとマーティン・J・シャーウィンが書いた

オッペンハイマー「原発の父と呼ばれた男の栄光と悲劇」である

何故という疑問と共にようやく映画を観てきた

観客が天才物理学者オッペンハイマーの心に入り込む

没入体験ができるところが見事だ

観客が天才物理学者オッペンハイマーの心に入り込む

没入体験ができるところが見事だ

量子空間の美しい映像と

原爆シーンでの暴力的な映像の対比

核分裂はロバート・オッペンハイマーの視点として

描かれるカラー映像

核融合は原子力委員会議長のルイス・ストローズの

視点としてモノクロの映像

カラーとモノクロの映像的対比と

時系列シャッフルで

オッペンハイマーに没入している観客を追い詰めていく

一大スペクタクル映画でありながら公平性もあり

パンドラの箱を開けた科学者の栄光と苦悩を塗り込んだ

人間ドラマとして仕上がっている

科学的発見の栄光と

道義的責任へのジレンマ

核兵器への根源的な恐怖を

様々なものを蓄積させながら観客に訴えかけてくる

クリストファー・ノーラン監督が

自分の息子に核兵器のことを聞くとあまり関心が無い

それよりも地球温暖化に関心があると話したという

この映画を観ることで核兵器を考える一助になれば

有難いと話していたのが印象的だった

映画の最後にアインシュタインとオッペンハイマーの会話も印象的だ

地政学リスクに脅かされる現在の世界の中で

オッペンハイマーの追体験をできることは

貴重な自分への糧となることは間違いない

私が今まで見た映画の中で最高傑作のひとつである!