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ノマドランド(アメリカ映画)

不況によって経済的に困窮する60代の女性が主人公

仕事と家を失い、車に家財道具を積み込んで

旅に出るファーレン

いわば「現代の遊牧民 ノマド」である

目的地があるわけでもなく、各地で働きながら

様々なノマドと会い、次第に大自然の雄大さと美しさの中に

共存できる喜びを見出していく

不安ながらもあえて楽な生活を選択しないファーレンの意思の強さ

美しい雄大な大自然、美しい旋律、人間としての誇りが三位一体として

ファーンの表情に現れて、少しづつ成長していくように見える

人生とは何か?幸福とは何か?を

同世代の人間として深く考えさせてくれる

 

一番印象に残っている言葉は

教え子だった子供に聞かれる

「先生はホームレスなの?」

誇りを持って返した言葉は「私はハウスレス、別物よ!」

心にはずっと家庭が生き続けており

今は物質としての家がないだけという意味だろう

 

主演はフランシス・マクド—マンド

今まで「ファーゴ」「スリー・ビルボード」で

2度オスカーを受賞している

驚くのはフランシス・マクド—マンドは作品のプロデューサでもあることだ

ジェシカ・ブルーターが書いたノマドの出版直後に

自ら映画化権を獲得

そしてクロエ・ジャオ監督の「ザ・ライダー」

をトロント映画祭を見て感銘を受けると共に

そのドキュメンタリー手法に注目して監督を依頼するのである

役作りのためにアマゾンの集配センター、収穫所、国立公園、カフェで

ノマドの人に交じって実際に働いた

映画でも主人公と交流を深めていく人たちが

ほとんど実在するノマドの人々であることも驚く

まさにフランシス・マクド—マンドが全身全霊を込めて

作り上げた作品でもある

作品も秀作なのだが

その背後にあるフランシス・マクド—マンドの

命を懸けた作品作りに感銘を受けた!

 

4月26日アカデミー賞が発表された

作品賞、監督賞、主演女優賞の三冠をノマドランドが達成した

プロデューサーとしてもフランシス・マクド—マンドの見事な完勝だった!