アメリカの現金給付の光と影
コロナ禍の最悪期を脱したアメリカの景気回復は
2021年度第一四半期の実質GDPの6.4%の素晴らしい数字だった
数字だけを見ると急回復が鮮明になってきている
またアメリカ2年物国債金利を日々見ていると
徐々に上がってきており
インフレの兆しを感じるのだが
FRBは金利を押さえ込めると公言している
景気回復の中で
アメリカでは800万人という求人が集まらない異常事態が続いている
これは現金給付と失業保険の拡充を続けているからだ
トランプ政権では
2020年3月 1200ドル
2020年12月 600ドル
バイデン政権では
2021年3月 1400ドル
の3回の現金給付を行った
しかも失業者対策として1週間300ドルを2021年9月上旬まで実施する
まさに手厚すぎる現金給付である
結果、失業者のほとんどは
実際に働くよりも家にいる方がお金をもらえることに気が付いた
だから求人が集まらないし
失業者は職場に帰ろうとしないのだ
そう考えるとGDPの伸びはほとんど現金給付と株高で持っているのである
しかし紙幣を刷り続ける政策は永遠に続かない
紙幣を刷れば刷るほど
政府の債務は異常に膨らみ、インフレ懸念も巻き起こす
ばらまかれた現金は株高とアメリカ国内の活発な消費を呼び起こし
2021年第一四半期は 実質GDP 6.4% 個人消費 10.7%と
顕著に数字にも表れた
しかしこれを繰り返していくと
将来確実に起こることはドルの暴落とインフレの到来だ
ただ恐ろしいことは
アメリカの失業者は政府から降ってくるお金に終わりがないように
感じていることである