
トランプ関税から始まった米国債リスク
トランプ関税ショックの10日間だった
4月2日
ホワイトハウスのローズガーデンでトランプ関税が発表された
トランプ大統領は「経済的な独立宣言」だと豪語した

それを振り返る前に
米国の差し迫った問題は米国債の借り換えだった
発行残高28兆ドルの債権のうち
2025年に借り換え必要性があるのは9.2兆ドル(約1300兆円)の巨額
現状は国債の利払いが一兆ドルを超え、
軍事費を上回る現状では借り換えも厳しい
借り換えのためには国債の金利を下げる必要がある
財務長官のスコット・ベッセント氏は
ソロスファンドで活躍し自らヘッジファンドを立ち上げた
為替と債権の金融のプロ
金利を下げるためには株価を下げる必要があると考えたのだろう

スコット・ベッセント財務長官の関税発表前の発言はそれを暗示している
「市場も経済も中毒になっていた。
我々は政府支出に病みつきになっていた
この先はデトックス(解毒)の期間になると・・・」
市場の反応は
世界各国で株価が暴落
3日間で10兆ドルが吹きとんだ
安全資産と言われる米国債だが4月7日以降に異変が起きる
債券市場の反乱が始まったのだ
米国債が売られ金利が上昇
4月9日には30年物国債が一時4.5%を超えた
中国が売っているのか?
農林中金が売っているのか?
果たしてまた別の国か?
債権市場は疑心暗鬼に陥った
その前にウォールストリートの異変を感じたベッセント氏は
6日フロリダに飛び、トランプと長時間協議
この時にトランプ関税一時停止は固まっていたのだろう
4月9日にトランプはSNSで中国など一部の国を除き
相互関税の一時停止を発表し
米国株は一気に上昇した
しかし10日はまた株式、米国債、ドルが急落している
これまで米国債は一番の安全資産と言われ、
ある意味では世界債といわれてきたのだが・・・・
トランプ関税を巡るトランプの2転3転の発言は
各国や世界の投資家から一挙に米国債の信頼を失ったように思う
その咎めが出てくるのはこれからだ
しかも1番の大きな目的だった
2025年の米国債の借り換え作戦も振出しに戻った
そして怖いのは中国の保有する米国債が約8000億ドルあることだ
激しい米中対立が続くようだと
この8000億ドルは売り浴びせられ、米国に対する
中国からの金融兵器のカードとして使用されることも覚悟したほうが良いだろう
世界最大のヘッジファンド ブリッジウォーターの創業者 レイ・ダリオ氏が
金融・政治・地政学の大きな秩序が崩壊しかかっていると警鐘を鳴らした。
米国債リスクはまだ始まったばかりである!

