尾上菊五郎親子 襲名披露公演(博多座)
博多座の劇場に足を踏み入れた瞬間
緞帳には尾上菊五郎親子襲名披露のイラストが描かれており
緊張感と高揚感を盛り上げている
歌舞伎を本格的に見るのは初めてだが歴史の節目に立ち会える喜びを感じる

夜の部の最初は森鴎外原作の じいさんばあさん
夫婦がご主人の罪で離ればなれになり
37年ぶりに再会する
その出会いを温かく深く表現している一幕だ
夫婦の変わらぬ愛情と絆が胸に迫ってきた
次は市川團十郎の男伊達花廓
迫力と貫禄が圧倒的な存在感
そして口上
市川團十郎の口上が面白かった
同じ年である菊五郎と一緒に育ったと
冗談を交えて話す姿は
次の歌舞伎時代を引っ張るリーダとしての2人の絆と信頼を
改めて深く感じることができた
最後は尾上菊五郎、菊之助親子の共演で連獅子

親が子を谷底に突き落とし、這い上がった来た者だけを
育てる故事こそ
襲名披露にふさわしい演目だ
親子の芸が火花を散らす連獅子の舞は
まさに芸の継承を感じたい印象深い演目だった
私にとって歌舞伎を本格的に見たのは初めてだったが
歌舞伎は日本文化の全てが詰まっているように感じた
今回一つのご縁が次の縁を呼び
更に縁が拡がっていく
人も文化も時間さえもが
全て何かのご縁でつながっていくのだと感じた
いくつもの深い余韻が心の中に広がっていく・・・・
歌舞伎の真髄を垣間見た瞬間だった
襲名披露は文化が未来へと受け継がれる儀式
その場に居合わせたことがとても幸せだ


