ごはん,酒,  感動、癒し、喜び

小松・弥助(金沢)

全国数ある寿司屋のなかでも、名店と言われるお店が金沢にある
金沢市片町のシティホテルの1階
見た目はカジュアルな雰囲気で拍子抜けするが
親父さんの客を見る目はただものではない
 
私が最初にお邪魔したのは1992年の冬
そのときは小松弥助は小松空港の近くにあった
その頃から東京から金沢に飛行機で食べに来る人も
多いという程の噂のお店であった
寿司のカウンターのバックはまるで能舞台のような造りで
そこだけでも私は圧倒された
その能舞台のカウンターで惜しげもない素材をニコニコと握っていただいた
しかし合い目に見せる眼光の鋭さはまさに職人の厳しい目であった
そのときに出された鰤のスナズリ(大トロ)は感動的な旨さであった
 
その後お店をやめられ気になっていたのだが
小松出身のアパホテルの社長に誘われ片町のアパホテルの1Fに
12年前にオープンしたそうである
 
さて移転して2回目の訪問だ
相変わらず予約が取れない店としても有名で
ようやく取れた時間にお邪魔したら
ロビーでお待ちくださいと言われ10分ほどで店内に案内された
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いつものご主人のニコニコの笑顔
言葉もあったかい
さあ楽しみの始まりだ!
萬歳楽のぬる燗を飲みながら寿司を待つ
イカ、トロの炙り(柚子と塩)甘海老、水なす
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煮ハマ、ネギトロ、雲丹とまぐるの山掛け、ズケ、穴子
酢飯は丸く柔らかい
今回印象的だったのはアラ
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夏の白身の王様とも言われる魚で淡白な中にも
ふくよかな旨みが拡がっていく
全体は素材の旨みを拡げてくれる丸い味わいの寿司だ
ただ今回は少し寿司が緩めのように感じた
 
人生の苦難を乗り越えて昇華したような寿司とでも言おうか
良い意味で枯れて肩に力が入