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養生訓と老子

養生訓は今から300年前1713年に貝原益軒が書いた書物だが
日本の風土や日本人気質に適応したものだ
そして実践した自分自身の生き方も加えて書いているの
でいつの時代でも通じるものがある
しかも善を日頃から積むことが大事とも書いてある
彼はこの書物を84歳で書き、翌年の85歳に亡くなったのである
まさしく貝原益軒の長寿を実践した人生の集大成の書物だった
 
養生とは字のごとく 生きるを養うことだと益軒は説く
その根底には老子の教えがある
老子とは今から約2300年前の中国の思想家である
中心となる考え方は 『 無為自然 』
自然の大いなる力に身をゆだねなさい
あるがままに生きなさい
ということだろう
 
もちろん養生訓にも老子の言葉が出てくる
『 天の命は我にあり、天にあらず 』
人の命は天からと父母の授かりものだが
命が長い、短いは自分の責任だ
これは人の業であって天のなすものではない
 
さて養生訓で一番知られている言葉は腹八分だが
私は養生訓の才一の教えが印象を強く受けた
その教えとは
自分の体を損なうものを除去することである
体を損なうものとは内から生ずる欲望であり外からやってくる邪気であると・・・・
 
内なる欲望と外なる邪気
 
内なる欲望
1、食欲
2、色欲
3、眠る欲
4、しゃべる欲
そして七情の欲(喜び、怒り、憂い、思い、悲しみ、恐れ、驚き)
 
外なる邪気
天の四季(風、寒、暑、湿)
 
この欲望をこらえて少なくし、邪気を防ぐことができれば
絶えず健康で元気で天寿をまっとうすることができると説いている
なかなか言うはたやすく行いは難しだが
あの時代これらのことを実践して
85歳まで生きた貝原益軒の実践書であるだけに現代でも通じるものがあると思う
 
すべてが不安だらけの時代である
だからこそ健康が大事なのだ・・・・
健康とは水みたいなもので
失くした人でなければ本当の有難味はわからない
 
混沌の時代、自然に感謝しながら、世のためを思い
4欲7情を抑えて自分の体を損なうものを除外する
肝に銘じて生きて行きたいものである