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風で織るタオル

日本のタオルシェアNO1の生産地、今治市
ここにユニークなタオル会社がある
繊維産業は斜陽産業の代表的なものである
90年代初めには500社以上あったタオルメーカーも
中国などの安価な製品に押され130社に減少した
 
そんな環境の中でも1953年創業の池内タオルは
技術の高さで売り上げを伸ばし
2003年には売り上げが7億円、
そしてその中の97%がデザイナーズブランドのOEM生産を占めていた
ニューヨークでの賞も取り取引先も秋から増えるという矢先のことだった
 
売り上げの70%を占めていたOEM先が破たんし
2003年11月28日民事再生法をによる再建を選択した
この時に池内タオルのファンから何枚買えば助かりますか・・・・
と言うメールが心の励みになったと言う
メイン銀行の頭取にもたくさんのメールが届いたそうだ
 
社長の池内計司氏は今後の方針を悩みに悩んだ
そして安定した経営を目指して
売り上げの1%でしかなかった自社ブランドのタオル開発に命を注ぐ
 
ポイントは3つの視点だ
 
1,デザインは変えない
  タオルのデザインは半年で変えていくのが今までの常識だった
  リピート率40%の強みが日常の愛用品と言うタオルにこだわった
2,商品コンセプトのこだわりと独自の視点
  代表的ブランドの風で織るタオルはグリーン電力証書システムにより
  2002年1月より自社の使用電力の100%を風力発電でまかなっている
  風で織るタオルはバスタオル一枚で約473グラムの二酸化炭素を削減している
  まさに環境にやさしいタオルである
  コピーもとてもマッチしている
3,商品コンセプトを自ら伝える
  社長自らトップセールス
  本物のモノづくりの熱情が相手の心に浸み込みビジネスが活性化する
 
自社電力をすべて風力発電でまかなう日本初の企業
風で織るタオルは様々な環境関係の賞を取り
全国にファンも増えてきた
しかし池内社長ののさらなる挑戦は続く
 
目指したのはオーガニックコットンのタオル
10年ほど前まで生産していたのはオーガニックコットンと言っても
ミシン糸などは通常のコットンが使われていた
今回は徹底的にこだわり
嘘をつかないオーガニックコットンにしようと決めた
綿花の生産には広大な土地が必要
バスタオル一枚で20坪の土地が必要
有機栽培で手摘みの作業だ
オーガニックコットンの糸の値段は通常の約4倍
しかも綿花は有機農法では連作できないので農地の半分しか生産できない
しかもタンザニアは二期作で作物を作るので
生産量に4倍の開きが出るのだ
2010年に世界の綿花量の生産量のうちオーガニックコットンが
1%を超えた
これからも増えていってほしいがその前に土地が足りるのかという疑問もある
 
550万の資金を集めてタンザニアから3トンのオーガニックコットンを買い
東京でボジョレーヌーボーの解禁日に
コットンヌーボーの発表会を行い話題をさらったのである
 
世界からはシーツはいつ作るのかという問い合わせが多い
ヨーロッパではシーツは毎日変えるのでまとめ買いをするそうだ
将来はオーガニックのテキスタイルをすべてラインナップしたいと池内社長
 
環境や本物を考え次々に新しい挑戦に向かって突き進んでいく
池内計司社長の目はまだまだ大きな未来を見つめているようでもある