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千利休と秀吉

利休にたずねよと言う映画が上映されている
この原作は山本兼一
第140回直木賞を取った小説
利休の深さと覚悟を実感できる素敵なミステリーだった
この話題の本が映画になった
 
映画は千利休を市川海老蔵が演じている
少し体が大きすぎるが、また違った利休を見せてくれるだろう
秀吉の大森南朗というのが面白い
この2人の利休と秀吉にも興味がある
是非近々見たいものだと考えている
 
さて利休と秀吉
秀吉の命令を自在にさばき
自由と個性で豊かに対応した利休のエピソードが印象に残っている
 
朝顔
 
朝顔の花を見に来ませんか?
千利休から秀吉へお誘いの手紙が・・・・
利休屋敷に見事に咲く朝顔の花々
千利休は早朝、庭から一輪の朝顔を摘み取り
そのほかはすべてを切り取るよう弟子に命ずる
朝顔を楽しみにやってきた秀吉は
朝顔が全然ないのにがっかりして茶室に入る
何とそこには朝露を含んだ白い花が一輪
床の壁に賭けられている
その気品ある姿は秀吉をもてなすにはふさわしい風格
秀吉は利休に感嘆すると同時に
無心に朝顔の花に吸い寄せられていった
 
黄金の茶室
 
秀吉に命ぜられて黄金の茶室を作ることになる
どこでも移動できる組立式にしたところが利休の発想の凄さだ
これは現在の建築の基本ともなる組立式の最初の物だろう
あと一つは障子と畳の色だ
エンジ色の赤
これはカトリック教に司祭の礼装だ
金とモダンな赤を使用することにより
悪趣味から超越して一つの形を作りだしたのだ
 
派手好みの秀吉、わびさびの利休
成り上がった秀吉の数々の難問に
堂々と自在に対応した千利休は
秀吉の逆鱗に触れ切腹を命ぜられる
千利休亡き後秀吉はこれを悔い、利休を懐かしんだという
 
利休のデザインは素材に逆らってないことだ
素材を生かして素材に寄り添い
シンプルに表現している
そして完全なものではない不完全な美を表現することが利休だった
侘びとはその究極だったろう
 
過剰な自己表現をしないのが
茶の湯400年の歴史の中で、
時空を超えて今なお千利休が原点と言われる理由かもしれない