足立美術館(島根県)
人口4万人足らずの島根県安来市に
世界各国から年間300万人訪れる個人美術館がある
その名は足立美術館
入り口は何の変哲もない美術館の趣だが
中に入ると風景が一変する
建物の中から見る壮大な6つの庭園
季節によって、あるいは見る角度によって
様々な庭園に変化する計算された設計
足立美術館の庭は
ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング誌において
2003年から11年連続庭園日本一を続けている
5万坪という壮大な面積の中に拡がる6つの庭園
その中核をなすのが枯山水庭
庭の雪の風景はまるでモノトーンの美しさを
一面に醸し出しているようでもある
足立美術館のもう一つの顔は
横山大観のコレクション日本一だ
さてこの美術館を造った人はどういう人なのだろう
足立全康は明治32年に生まれた
出来の悪い劣等生だったと自ら言う彼は
学校を卒業して農業をするが
実を粉にして働いても一向に暮しが楽にならないことに嫌気がさし
14歳で商売の道に入る
軍隊でも人の何倍もの雑務を果たし
2階級特進も・・・
その想いを胸に戦後商売を行い財産を造って行く
絵画に何の興味もなく仕事だけに没頭してきた彼は
ある日ある骨董屋で掛け軸を目にする
これが大観との出会いだった
日の出を描いたこの絵に
心を奪われた
蓬莱山 横山大観
いつの日かきっと横山大観の絵を買ってやると心に誓った
横山大観の自我という出世作から
晩年の富士の絵画まで
横山大観のもうろう体を確立していく過程が見事に保存されている
そのほか河合玉堂、魯山人など美術や陶芸なども展示されており
アートや庭園の愛好家にはたまらない美術館の一つである