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世界初の心臓シミュレーター

京都には個性的な企業が多い
京セラ、オムロン、村田製作所、日本電産
ローム、ワコール、島津製作所等、様々な業種で
力を発揮している企業がたくさんある
 
そんな京都の地で新しいベンチャーが
未来に向かって、興味あるビズネスを展開している
会社名はクロスエフェクト
 
社長は竹田正俊氏
1973年生まれの41歳
お父さんが町工場を行っていたが
このままでは海外との競争でじり貧になると考え
大学卒業後アメリカに4年間留学しその後
3次元データの設計サービスをやることを決意
2001年にクロスエフェクトを設立した
その後光造形などを取り入れながら試作品をどこより
早く届けるサービスを開始した
その後、高速試作ビジネスは順調に軌道に乗り始めた
 
心臓のきっかけは意外なところからやってくる
9年前に当時、京都府立医科大学の白石先生から
依頼があった
赤ちゃんのCTスキャンデータから
本物に近い心臓を作れないだろうかと言う相談だった
1000人に一人の確率で発生する先天性小児心症患の手術の成功率を
上げたいとのことだった
この作った心臓を基に事前に練習できれば
赤ちゃんの命が救えると白石氏は訴えた
 
しかし竹田氏は断った
今は本業で手いっぱい
金もかかるし事業としてとらえることができなかった
 
そして5年前
竹田氏は白石氏と再度出会う機会が訪れた
白石氏は心臓を作るパートナーをまだ探していた
今度は将来を見据えて心臓シュミレーションの事業化を決断した
 
2011年にはそのためのクロスメディカルを設立した
2012年京都中小企業技術大賞を受賞
 
クロスエフェクトが心臓を制作する流れを説明すると
患者のCTスキャンデータを専用のソフトウェアでCADデータに変換
医師の確認を得たうえで光造形でプラスチックのひな型を作る
患者本人のCTデータのため腫瘍や心臓内側の異常も
的確に再現される
期間もデータをもらって5日間で出来上がると言う
素晴らしい高速心臓シュミレーターである
医師の術前リハーサルには最適で
成功率も上がるという画期的なもの
 
2014年にはMEDTECイノベーション大賞を受賞し
今や全国をはじめ、世界からも問い合わせが相次いでいる
その他の内臓はできないのかとの要望に
竹田氏は
肺、肝臓、腎臓、胃など様々な臓器の試作も実行中のようだ
 
世界初の心臓シミュレータ—で
世界の救命を支える
京都の小さな会社の将来がこれから大変楽しみである