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フラウン・ホーファー研究所(ドイツ)

ドイツの産官学の中枢拠点といわれるのが
フラウン・ホーファー研究所だ
ここは大企業から中小企業まで様々なイノベーションを陰で支えている
 
1992年にはMP3音楽圧縮データを開発し
世界の注目を浴びた
また2002年にはカーボンナノチューブ技術を利用した
テニスラケットを開発
40万本以上の大ヒット商品となった
今や錦織圭をはじめとして使用されているラケットでもある
このような社会に役立つ実用化の研究をテーマに
あらゆる分野の応用技術の研究を行っている研究所である
 
フラウン・ホーファー研究所はヨーロッパ最大の応用技術研究機関といわれ
国内に67箇所の研究所を持ち
現在約23000人の従業員を抱えているが
そのほとんどが研究者である
研究分野も幅広く、ほぼ360度のテーマを研究している
予算は3000億円ほどの巨大なものとなっている
 
1949年に設立されたが当初の研究業務がうまくいかなかったため
1970年ごろに独自のモデルを作り上げ発展してきた
収入は
産業界や公的機関の契約に基づく研究開発が3分の1の収入
政府からの基盤収入が3分の1を占めている
面白いところは政府の基盤収入の増減は
産業界からの契約収入の増減に比例するというところだ
産業界からの契約が多くなれば必然的に政府からの基盤収入も伸びる
そしてその基盤収入の予算は政府と州の割合が9:1で負担している
 
また67箇所の研究所長は各大学の教授が兼任しており
大学と連携を密にしている
イノベーションの源泉や知恵は大学にあると考えているからだ
そのことが多くの学生が研究所の活動に参加しつつ博士論文を作成するという
これらがうまく機能して産官学の連携が好循環で回っている
 
働いている研究者の評価もユニークだ
企業との契約を取れるか?
特許を取れるかどうかを評価の対称にしている
社会に役立ち収入をアップさせれば
研究所も企業も従業員もウィンウィンの関係になるということだ
つまり研究者の起業家精神を想定しているのも民間的であり実践的である
平均雇用期間が5年間という短期間なのもこの研究所の特徴でもある
毎年約8%の研究者を産業界に転出させているという
これが研究者の新陳代謝にもつながり
産業界にとっても良い研究人材の獲得にもなっているようだ
 
次世代の競争力につなげる
フラウン・ホーファー研究所のシステムモデルとその成果は
世界でも注目が集まっている
特に全国的な産官学の連携とネットワークの構築、収支システムは
日本でも早急に検討をはじめる必要があると考える
それが真の意味でも地方創生の新しい門出になるのではないだろうか