個性ある悪役の魅力~下町ロケット~

今年国民的テレビドラマになった感のある
TBSの下町ロケット
最終回は残念なことが2つあった
終盤での佃社長と椎名の会話が長すぎた
これでもかと続く2人の主張には少ししらけてしまった
そしてエンディング
椎名がバルブを持って現れるなど興ざめでしかない
それでも最終回の視聴率も22.3%と圧倒的な強さだった
 
佃製作所という下町の工場が社員一丸となって
誇りをかけてロケットのバルブシステムに取り組んでいく
そして次はガウディ計画という心臓の人工弁の制作
その過程で起きる様々な試練を乗り越えていく様は
社員の不眠不休の努力や涙を通して
日本人のモノづくりに対する真摯な情熱や誇りを再現させてくれるようだ
 
主人公の佃製作所の社長演じる、阿部寛の熱演もさすがだが
このドラマのもう一つの魅力は
様々な悪役が登場することだ
 
中でも小泉孝太郎演じる椎名製作所の社長
効率を重視するドライな経営者
会社を大きくするためには手段を択ばない
この人に悪役ができるのだろうかという不安があったが
捉えどころのない存在感と最後の笑顔の不気味さ
得体のしれない恐怖感を見事に醸し出していた
甘言の使い分けと
最後の役に立たないやつは用がないとのクールな言葉
ぎりぎりの最後まで動じないふてぶてしさも凄みを増していた
 
貴船教授を演じた世良公則
狡猾でうまく人生を渡ってきた貴船教授
人生の酸いも甘いも見通した悪徳教授の生き様を見事に演じた
言葉の言い回し
表情の冷たさ
部下の手柄は自分のもの、
部下の事故の責任は部下の物と割り切る非情さ
冷徹で利口
まさにはまり役だった
歌手時代 動の世良公則が役者では静になり
こんな渋い演技もできるのかと驚かされた
 
数々のトラブル続出の中で
登場していく個性あふれる悪役たち
その悪役の存在感の大きさを
次々と乗り越えていく姿こそが番組のコントラストとなり
下町ロケットの魅力を倍増させていったのだろう