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便利な物には毒がある(伊集院静)

私の尊敬し憧れる人間の一人が
伊集院静氏である
博打や酒を飲み歩くハチャメチャな人生を送りながらも
打算のない大人の生き方を教えてくれる
時代に流されることなく
人間として持つべき常識や良識を
自分の中の芯として持っているところが彼の魅力なんだろう
 
面白い話がある
2016年内閣府から紫綬褒章の話があった時に
本人はお断りしようと思ったという
 
これを翻したのは
山口県に住む93歳の母親からの電話だった
お父さんが生きておられたら
どんなにお怒りになるか、私も同じ気持ちです
断わることは許しません。
 
母親から許しませんという言葉を聞いたのは初めてだったという
それまではすべてのことを母親が盾になって
父親から自分を守ってくれていた。
はじめて聞いた許しませんという言葉が
いかに彼にとって大きなもので影響を与えたかが理解できる
 
さてお正月に読みなおしていた大人の流儀「追いかけるな」
心に残るフレーズがあった
 
便利な物には毒がある
手間がかかるものには良薬が隠れている
 
我々の身の回りには便利なものがあふれている
しかし便利なものは我々の能力を退化させ
あるいは健康を害してはいないだろうか
スマホは人間の暗記能力を退化させ
パソコンは電磁波で体に悪い影響を与え
病気を治すと言われるありとあらゆる薬は
はたして健康を害することはないのだろうか?
ファストフードやコンビニの食事もしかりである
お袋手作りの料理はいつも懐かしく
心を豊かにそしてあったかくしてくれた
手間がかかることは心がこもっていることでもある
 
そう考えると今の便利な生活を突き詰めていくことが
幸福な生活の近道であるとも思えない
 
ただ人類はもっと便利にと人工知能を加速させ
食料が足りないと遺伝子組み換えの食物を大量生産していく
これが世界の現状だ
 
しかし私は手間がかかることを続けることで
人間としてのあるべき姿が見えてくるような気がしている
時代と適合しないかも知れないが
今年は手間がかかることをテーマに
今まで以上にアナログで取り組んでいきたいと考えている