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都萬牛(とまんぎゅう)西都市

赤みの美味しい都萬牛を作り出した西都の矢野さんを訪問した
宮崎観光ホテルで開催された
奥田シェフの食事会のメニューに都萬牛が出ていて
さっぱりと美味しい赤みが印象的だった
そこで矢野さん親子と名刺交換したことが訪問のきっかけとなった
 
日本の和牛は4種類
黒毛和牛    日本の90%以上はこの種類
あかげ和牛   熊本、高知に20000頭ほど
短角牛      岩手を中心に7000頭程度
無角和牛    山口の一部の地域 とても少ない
 
獣医の矢野さんは口蹄疫の発症から
殺処分するためのワクチンの接種など全てに携わり
地獄の現場を体験された方だ
結果自分の往診していた農家からすべての牛が居なくなり
何もすることが無くなった
それをきっかけにして色んなことを考えるようになったという
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木城の肥育農家の鍋倉さんも
196頭いた牛が口蹄疫で全ていなくなった
2人で何度も話し合いを重ねた
これまで日本の和牛はサシを入れA5の肉を作ることが目標だった
今の時代はヘルシー志向
なぜ日本の牛肉だけはサシを入れることばかりに一生懸命になるのか
2人の結論は
脂身の少ない赤身中心で
しかも食べておいしい肉を作ろうという事になった
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獣医の矢野安正さん 
〜農は誰によって守られるのか?〜 
口蹄疫の自らの体験を元に2015年8月に鉱脈社から本を出版した
 
矢野さんの母校でもある宮大の入江教授に相談に行った
意気投合して話が弾んだ
臭くない肉を作ってくださいという言葉が印象的だったという
牛の嫌な臭いの元とは糞尿にあるという
糞の揮発性の成分が肺呼吸で体内に取り入れられ
血液を通じて全体に回るのだという
 
最終的な肉のコンセプトが決まった
嫌なにおいのしない牛肉らしい香りを持った肉を作る
 
牛の味の80%は飼料にあると矢野さんは考えている
牛肉にサシを入れるのはビタミンAの給与を
制限することは当然の事として従来から行われているそうだ
しかしビタミン類やミネラル類を不足なく与える事は
牛を健康に買うための第一歩であると矢野さんは考えた
 
西都はお茶の生産も盛んだ
人間用の茶葉を取り終えた後、牛用に茶葉を製品化した
また焼酎粕には様々な種類の微量要素が豊富に含まれている
それに米ぬか、飼料稲などを加えた
これらのエコフィールドを給与することで牛の質がアップした
 
また全国の牛の有名ブランドは30~33か月
その世界に精通した業界の方々に意見を聞くと
子牛を1~2回生んだ経産牛が一番美味しいですと意外な感想
 
これをもとに都萬牛は
和牛本来の旬という33~48か月に設定したことで
価格も宮崎牛より1~2割安く
牛肉本来の理想の味に近づくことが出来たのだという
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息子さんの矢野拓也さんは東京から帰り
牛肉加工で一年間山形に行き修行した
そして2013年4月直売場もオープンした
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今日はサーロインの部位を焼いていただいた
焼いてしばらくするとまだ赤身が増すのだという
試食するとジューシーで肉本来の旨味が広がってくる
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まだまだ量が少ないのでこれからも大変だと思うが
肥育農家、獣医、販売の3つを兼ね備え
牛本来の環境や飼料を考え、美味しい赤身の肉を目指す
という独自の挑戦は揺るがない信念と
口蹄疫の経験を踏まえているだけに
今後の実践と拡大がとても楽しみでもある