コロナと世界(ジャック・アタリ)
新型コロナウィルスで世界の人、モノ、金が止まってしまった
その経済的影響は計り知れないほど大きい
人と物が止まると経済は回らない
しかも今まで常識だったことが完全に逆になってしまった
観光客も都会からぜひおいでくださいと言っていたのが
来ないでくださいの逆になった!
世界も同じだ
会って話してコミュニケーションを取りながら
交渉してきたスタイルも今やテレワークが主流となってしまった
そんな新ライフスタイルにまだ個人的にもなじんでいない
さて日本経済新聞の「コロナと世界」の記事で
世界の知性と言われるジャックアタリ氏が
新型コロナが世界経済をどう変えますか?
の質問に対してこう答えている。
危機が示したのは命を守る分野の経済価値の高さだ
健康、食品、衛生
デジタル、物流、クリーンエネルギー
教育、文化、研究などが該当する
これらを合計すると
各国のGNPの5~6割を占めるが
危機を機に割合を高めるべきだ
経済の非常事態は長く続く
これらの分野を犠牲にした企業の救済策を作るべきではない
企業はこれらと関係のある事業を探していかなければならない
世界経済を立て直すのに必要なことは?
第一の優先事項はワクチンと治療薬
この問題はワクチンや治療薬があれば解決し
なければ解決しない
人類史的にみて新型コロナウィルスはどんな意味を持つのか
権力の変容が起きるとみている
歴史上、大きな感染症は権力の変容を生んできた
15世紀、ペストの発生を機に
協会から治安当局に権力が移った
その後の感染症では科学が問題を解決すると考えるようになった
治安当局から医学への権力移転だ
これまで我々はこの段階にいる
新型コロナの対策ではテクノロジーが力を持っている
問題はテクノロジーを全体主義の道具とするか
利他的かつ他社と共感する手段とすべきかだ
私は後者と考える
とても薀蓄のある話だ
これからはテクノロジーが権力を持つ時代になる
そしてテクノロジーの力を使いながら、共感する社会の創造を図るべきだ
ただ使いこなせるかどうかは日本の国民次第だ
一致団結して行動すればコロナ後の社会も見えてくる