
佐渡裕指揮トーンキュンストラー管弦楽団
佐渡裕指揮の
トーンキュンストラー管弦楽団のコンサートが
5月9日メディキット県民文化ホールで開催された。
佐渡裕氏はウィーンにあるトーンキュンストラー管弦楽団の
音楽監督に2015年就任後10年努め、
楽団との最後のコンサートツアーが日本で開催される
その初日が宮崎でのコンサートとなった。

佐渡はコンサートの頭で私の大好きな宮崎で
シェラトンに宿泊し楽団員全員が宮崎の素晴らしさを満喫したと話した
第一部はモーツアルト ピアノ協奏曲第23番イ短調
ピアノは反田恭平
独創性と若いながらも円熟味を兼ね備えた貫禄の演奏は
圧倒的な存在感だ
反田恭平はこの曲をピアニストなら
絶対に持っていなければいけない勝負曲の一つだという
佐渡は反田との共演を
反田君とは学園祭でロックバンドでやっているみたいで
この一回にかけている特別な感覚
ゾーンに入っていくイメージもスリリングで刺激的だ

豊かな感性にあふれた圧巻の演奏は私も含め観客が酔いしれていた
興味深かったのは反田ソロのアンコールの演奏を
楽団員も拍手喝采で喜んでいたことだった
第2部はフルオーケストラで マーラー 交響曲第5番ハ短調
マーラーは私は個人的になじめない作曲家だ
不必要に長く難解で複雑な旋律
サウンドは大げさと脆弱さが織り交ざる
長く煮え切らない音楽
マーラーには退屈で中途半端な感覚を持っていた
時代遅れのロマン派作曲家
指揮の片手間に支離滅裂な長い旋律の日曜作家
等と揶揄され
彼の音楽はあまり評価されなかったのだが
死後60年を得て「ベニスに死す」の映画で蘇る
全編に流れるマーラーの第4楽章のアダージョは
耽美的で退廃的な曲が多くの人を魅了した
その後カラヤンがマーラーを録音しはじめマーラーの復活が始まった
そんなイメージを持ちながら聞いたのだが
ハープと弦楽器のアダージョ以外は
どうも私とマーラーは相性が良くないようだった

ただラストコンサートで感じたのは佐渡裕と楽団の団結力!!
10年を締めくくる特別な瞬間を体感できたことは
何よりも嬉しい事で得難い体験だった
佐渡裕に対するある楽団員の言葉が印象的だ
佐渡裕は経験したことのない創造性と音楽の自由を私たちに与えてくれた
彼が指揮台に立つと今でも喜びと大きな安ど感がある
私たちはこれから彼を心の音楽監督として迎えよう
