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ジョルジオ・アルマーニ追悼

ジョルジオ・アルマーニ氏が91歳で9月4日に御逝去された

ファッションデザイナーとして世界中のセレブたちに

愛され、大きな旋風を巻き起こしたが

それ以上に彼は「美とは何か?」「品格とは何か?」    

を布と糸で答え続けた哲学者でもあった

イタリア北部のピアチェンツァに生まれ

戦中の厳しい生活を通して

「華美でない上品さ」に目覚めた彼は

ミラノ大学医学部で人体の構造を学びながら

やがて服作りへと転身する

骨格や重心への深い理解は彼のファッションの

「身体に沿う構造」へのこだわりにつながっていく

1975年41歳で「Giorgio Armani」を創業

肩パッドを排したジャケット ニュートラルな色調

流れるようなドレープ

それらは当時の堅苦しいスーツ文化に風穴を開け

「ソフトテーラリング」と言う新たな美学を確立した

映画アメリカンジゴロでの衣装提供は

ハリウッドとモードの架け橋となり一躍世界に知名度が拡がった

アルマーニの美学はファッションだけにとどまらず

インテリア、ホテル、スポーツ、の世界まで拡がり

ライフスタイルの帝国と言われるまでになった

底流に流れるのは3つ

節度あるエレガンス 職人技への尊重

過度なトレンド追随への距離感  である

彼の服をまとった映画俳優は

ジュリア・ロバーツ レオナルド・ディカプリオ トム・クルーズ

等たくさんいるが、彼が目指したのは

「誰もが自分らしく輝ける服」だった

彼の死は一つの時代の終焉と同時に

美学と精神が次世代に受け継がれる始まりでもある

彼の美学によって作り出された

服を通じての生き方への提案は

今も世界中のクローゼットの中に静かに息づいている