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経営は八転び八起き(獺祭・桜井博志会長)

獺祭・桜井博志会長の新刊『獺祭 経営は八転び八起き』。

少しひねったタイトルが桜井会長らしい

大吟醸を楽しむ会のご縁でお付き合いがあり、

山口の蔵やNYの蔵迄出かけていき

獺祭のある程度の断片的な情報は知っていたのだが、

深く掘り下げて桜井会長の悩みなどを赤裸々につづられているのも興味深かった。

またNYの蔵訪問で知り合いとなり、

2年前から宮﨑の大吟醸を楽しむ会にお越しいただいている松田きこさんが

構成されたことも聞いていて、新刊本を楽しみにしてきた。

その本の中で心に深く残った一節がある。

「エルメスやブルネロクチネリのように、職人気質を大切にする心に学ぶことが多い」

桜井会長のこの言葉はズシリと心に響いた。

エルメスは、職人の手仕事を芸術の域にまで高めた世界ブランド。

ブルネロクチネリは、イタリアの小さな村で“人間の尊厳”を守りながら、

カシミアを軸として世界に誇るラグジュアリーブランドを生み出している。

1985年、妻の故郷であるイタリアのソロメオ村を修復し工場を構えた

自らが作った広い芝生の公園にはモニュメントがあり人間の尊厳に捧げると言う言葉が

書かれてある

本物を追求し、利益ではなく、人間至上主義の価値観が職人技を磨き、

やる気を出し、ブランドの向上発展に実を結んでいる

NYの蔵で分業化社会アメリカの常識に違和感を持っていた桜井会長にとって、

このことが気づきとなり、アメリカでも獺祭型でやって行こう。

製造スタッフの高給化、人間の尊厳と平等を大切にしようと改めての誓いとなる。

獺祭もまた、山口の小さな蔵から世界へ羽ばたいた日本酒ブランド。

共通しているのは、「本物をつくる」という揺るぎない信念と、

手間を惜しまない職人の矜持だ。

桜井会長が目指すのは、単なる高級品ではなく、

「日本初のプレミアムブランド」としての獺祭である。

現在売上200億円の会社が、

売上1000億円という数字のハードルを掲げる覚悟には、

世界中の人々に“日本の美意識”を届けたいという熱い想いがある。

本物をつくること。

それは、時間がかかっても、手間がかかっても、心を込めて磨き続けること。

地球に害を与えず、モノづくりをし、

倫理、尊厳、道徳を持って正当な利益をあげる

その先にこそ、世界に通じる価値が生まれるんだと。

獺祭は、現在、高級ラインの工場を本社の近くに建設中だ

74歳の今でも桜井会長の夢は宇宙だけでなく限りなく大きい!

夢に向かって走り続ける 桜井会長の挑戦は

まだまだ我々をそして世界の人々をもわくわくさせてくれるだろう

そしてその挑戦は私をも叱咤激励してくれる

今後の更なる活躍と健康を祈念したい